コラム

2026/8/3 (月)更新

ネットワークエンジニアとは?仕事内容や他エンジニアとの違い・転職方法からキャリアパスを解説

# ITエンジニア# インフラエンジニア# ネットワークエンジニア# 未経験# キャリアパス# 年収# 資格# 将来性
仕事内容からキャリアパスまで解説 ネットワークエンジニアとは?
監修者:茂神 徹

「ネットワークエンジニアって何をするの?」
「『エンジニアはやめとけ』って聞くけど、実際どうなの?」
「未経験でもネットワークエンジニアになれる?」
IT業界への転職を考え、ネットワークエンジニアに興味を持った未経験者が、このような疑問を持つのは当然のことです。

結論としては、クラウド利用やリモートワークの広がりにより、安定した通信環境やセキュリティを支えるネットワークの知識は、引き続き重要なスキルの一つといえます。

そして、マニュアル化された「監視・運用・保守」からキャリアをスタートすることが一般的なため、ネットワークエンジニアは未経験からでも十分に目指すことのできる職種です。また、専門知識を深めることで、インフラ領域のスペシャリストを目指せる職種でもあります。

この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容から取得すべき資格、そして将来のキャリアパスや年収まで、徹底的に解説します。

この記事のトピックス
  • ネットワークエンジニアの仕事内容と役割、他エンジニア職との違い
  • 未経験からネットワークエンジニアになる方法
  • おすすめの資格5選と、将来のキャリアパスや年収

※本記事は2026年5月時点の情報をもとにまとめています。

ネットワークエンジニアとは?仕事内容と役割

企業のデジタル化やAIの普及に伴い、膨大なデータをやり取りする「通信インフラ」の重要性は増し続けています。その中核を担うネットワークエンジニアは、どのような役割を持ち、どのような業務を行うのでしょうか。

ITインフラの通信を支える役割を担う

IT分野におけるインフラとは、システムやインターネットを利用するためのサーバー、ネットワーク、OSといった基盤(土台)のことです。
ネットワークエンジニアは、ルーターやスイッチ、ファイアウォールといった専用機器を組み合わせ、システム同士を安全かつ正確につなぐ 「通信の道」を設計・構築・運用する専門家です。
近年はクラウド上の仮想ネットワーク空間を構築するスキルも求められ、深い専門知識と高度なスキルを持つスペシャリストを目指す道とも言えます。

「ネットワークエンジニア」はインフラ系エンジニアの1つ

「インフラエンジニア」はITサービスを支える基盤を扱うエンジニアの総称であり、「ネットワークエンジニア」は、その中でも通信環境を専門とする職種です。
未経験者が混同しやすい、他のインフラ系エンジニア職種との違いを簡潔に解説します。

  • データベースエンジニア:膨大なデータを安全に管理し、データベースの設計やチューニング、バックアップを担います。
  • サーバーエンジニア:サービスを提供するサーバーのハードウェア選定からOSのインストール、設定、運用・管理を担います。
  • ネットワークエンジニア:それらのサーバーやデータベース同士、あるいはユーザーのPCをつなぎ、データが迷子にならず安全に届く通信経路を構築します。
  • クラウドエンジニア:AWSやAzureなどのクラウドプラットフォーム上で、サーバーやネットワークを利用したシステムの設計・構築・運用を行います。
  • セキュリティエンジニア:サイバー攻撃などの脅威からインフラを守るための設計、脆弱性診断、インシデント対応などを担います。

なお、これらの職種は役割として分類されていますが、必ずしも業務が完全に独立・分断されているわけではありません。
実際の現場では、それぞれの領域が重なり合う部分も少なくありません。

ネットワークエンジニアの基本的な仕事内容

ネットワークエンジニアが担当する業務フェーズは、大きく以下のように分かれます。

  • 要件定義:顧客の要望(必要な通信速度、セキュリティレベル、予算など)をヒアリングします。
  • 設計:要件を満たすため、ルーターやL2/L3スイッチの選定、IPアドレスの割り当て、VLAN(仮想LAN)による論理的な分割、ルーティングプロトコルなどを詳細設計書(パラメータシート)にまとめます。
  • 構築:データセンター等での機器の物理的な設置・配線や、設計書に基づいた機器の設定、正常に通信できるかのテストを行います。
  • 運用:システム稼働後の設定変更やネットワークの追加などを行い、最適な状態を維持します。
  • 保守・監視:24時間体制で通信トラフィックや異常を監視し、障害発生時にはログを解析して通信の迂回や機器交換などの復旧作業を行います。

未経験者の場合、まずは監視、運用、保守などの業務から経験を積み、その後、構築や設計などの工程を目指すケースがあります。
ただし、担当工程やキャリアの進み方は、企業や案件によって異なります。

ネットワークエンジニアが働く環境(場所や雇用形態)

未経験者の場合、現場経験を積むため、取引先のプロジェクトに参画する働き方を経験することがあります。求人情報では「SES」や「SIer」といった言葉が使われることがありますが、これらの呼称だけで、契約形態や業務指示の流れが決まるわけではありません。 SESは、エンジニアの技術力や業務遂行を通じて取引先を支援するサービスの通称です。SIerは、顧客の課題に応じてシステムの企画、設計、開発、導入、運用などを支援する企業を指します。ただし、実際の働き方は企業や案件によって異なるため求人票や面談で確認することをおすすめします。 なお「テニショクエンジニア」では、BREXA Technologyに正社員として所属したうえで、配属先企業のプロジェクトで経験を積む働き方が基本です。配属先での業務内容や指示系統、研修・フォロー体制については面談時に確認しましょう。

ネットワークエンジニアに向いている人・向いていない人

ネットワークエンジニアにはその職種特性から、知識や技術はもちろん、マインドセットにも一定の適性があると言えます。

向いている人の特徴

  • 学習意欲が高い:IT業界の技術進歩は早いため、最新技術や資格への関心を持ち、地道に学び続けられる人が向いています。
  • コツコツした地道な作業が得意:手順書やマニュアル通りの正確で慎重な作業が苦にならない人は高く評価されやすい傾向があります。
  • 論理的思考ができる:予期せぬトラブル原因の切り分けや複雑な設計において、筋道立てて論理的に考えられる力が求められます。

向いていない(注意が必要な)人の特徴

  • 変化のない仕事に飽きやすい:運用・監視フェーズなどでの変化の少ない定常業務やログ確認を苦痛に感じる人は不向きです。
  • 不規則な生活リズムに弱い:24時間365日稼働するシステムを守るため、シフト勤務や夜勤が発生する場合があります。
  • チームでの業務が苦手:独断で進めがちで、チームメンバーや他部署と連携を取るのが苦手な人には難しい環境です。

「注意が必要な人の特徴」に当てはまる場合でも、勤務時間や担当業務は企業や案件によって異なります。求人票や面談で「シフト勤務や夜勤の有無、担当工程、チーム体制」などを確認しましょう。

ネットワークエンジニアのやりがいと「やめとけ」と言われる理由

仕事の魅力と、ネット上で見られるネガティブな意見の実態を対比して解説します。

ネットワークエンジニアのやりがい・魅力

ネットワークエンジニアの仕事には、専門性を活かして社会の土台を守るという、他では得られない以下のやりがいが存在します。

  • 社会インフラを支える貢献性:ネットワークが止まると企業活動が停止するため、現代社会の基盤を支える「縁の下の力持ち」として非常に貢献度の高い仕事です。
  • トラブル解決時の達成感:障害の原因を特定し、無事に復旧させた際の一連の流れや、ネットワークがつながった瞬間には大きな達成感を得られます。
  • クラウド化やDX推進による需要増:インフラの専門家としての需要は高く、スキル次第で高い年収や市場価値を得られる将来性があります。

BREXA Technologyが、異業種からエンジニア職へ転職した20代・30代の男女を対象に実施したアンケート調査(*)では、「エンジニアになって良かったと感じること」への回答として、「仕事へのやりがい・責任感が増した」が23.5%となっています。 また、先輩エンジニアからは、以下のような声も寄せられています。

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(30代・男性 / 経験:3年以上~5年未満)

社会のIT基盤を裏から支えているという『仕事へのやりがいや責任感』が格段に増したと実感しています

専門知識を活かして社会に貢献できる点は、この職種の魅力の一つであると言えるでしょう。

調査概要

調査対象
未経験(異業種)からエンジニア職へ転職した20代・30代の男女
有効回答数
200名
回答者属性
20代 19.5%/30代 80.5%、男性 70.0%/女性 30.0%
調査方法
インターネット調査
回答方式
単一回答/複数回答
調査時期
2026年5月
調査主体
BREXA Technology

「きつい・やめとけ」と言われる理由と実態

ネット上で「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われる理由は様々です。
特に耳にすることが多いであろう5つのネガティブイメージについて、その理由と実態、受け止め方を解説します。

  • クラウド時代で「オワコン」化する?:クラウド化により、物理機器の設定作業だけを担う仕事は減る可能性があります。一方で、クラウド・オンプレミス・セキュリティ・自動化をまたいでネットワークを設計・運用できる人材の重要性は高まると考えられます。
  • 夜勤・シフト勤務が多い:システムを24時間監視するため、下流工程では夜勤やシフト勤務が発生することがあります。ただし、すべての現場で夜勤があるわけではなく、日勤中心の案件もあります。求人票や面談で勤務時間・シフト・オンコール有無を確認することが重要です。
  • 突発的なトラブル対応が多い:休日や深夜のオンコールなど、障害発生時には迅速な対応とプレッシャーが伴います。
  • 初年度の年収が高くない:スキルと経験が直結する職種のため、未経験でのスタート時は年収が低めに設定されやすい傾向があります。ただし、マニュアルベースで初心者でも業務に入りやすい点や、深夜手当で手取りが増える可能性があるといったポジティブな側面も存在します。
  • ルーチンワークによるスキルアップの停滞:運用保守フェーズが長く続くと、新しいスキルが身につきにくいリスクがあります。 そのため、特に未経験者の場合は企業選びが重要となります。

このように、インフラ系エンジニアならではの側面を「大変さ」と捉えるか、「将来へのステップ」と捉えるかは人それぞれですが、実態を正しく理解し、自分の希望する働き方やキャリアに合った企業を選ぶことが転職成功の鍵となります。

未経験からでもネットワークエンジニアになれる?

IT人材不足を背景に、未経験からでも十分にネットワークエンジニアへ転職することは可能です。

未経験でも就職しやすい理由と注意点

インフラエンジニアは、開発職(プログラマーなど)と比べると、未経験から入りやすい求人が見つかりやすい傾向にあると言えます。その理由は、開発職にはあまりない「監視・運用」というマニュアル化された業務が存在するためです。 また、経済産業省の調査では、2030年時点のIT人材の需給ギャップは、前提条件によって異なるものの、最大で約79万人に達する可能性が示されています(*)。こうした状況を背景に、未経験者を育成前提で採用する企業もあります。 ただし、最初から上流工程である「設計・構築」に携われるとは限らず、未経験者の多くは監視・運用・保守などの入口(下流工程)からスタートすることを理解しておきましょう。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査

年齢別の転職難易度(20代・30代・40代)

未経験からITエンジニアへの転職においては、年代によってアピールすべきポイントが変わります。 ■20代
実務経験がない場合でも、学習意欲や継続的に学ぶ姿勢が評価材料になります。夜勤やシフト勤務を含め、配属先によって働き方が異なることを理解しておくことも重要です。 ■30代
社会人経験で培ったコミュニケーション力や顧客対応力に加え、資格取得や学習記録など、転職に向けて準備していることを具体的に示せると効果的です。 ■40代これまでの業務経験のうち、調整力、対人対応、マネジメント経験などをどうインフラ業務へ接続できるかが重要になります。未経験分野への転職であるほど、経験の活かし方を具体的に伝えることが必要です。 前述のアンケート調査より、異業種からインフラエンジニアへ転職した先輩の声を紹介します。

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30代・男性 / 経験:3年以上~5年未満

未経験からの挑戦だったので、まずは熱意を伝えるために資格(CCNAなど)の取得を目指しました。働き始めると、ネットワークの専門知識はもちろんですが、前職の接客業で培った『コミュニケーション能力』や『顧客対応』の経験が、チーム連携や顧客折衝の場面でとても活きていると実感しています

転職にあたっては、年代にあわせて自分にはどのような準備やマインドセットが必要かを考えてみましょう。

未経験者におすすめの資格とスキル

ネットワークエンジニアになるために資格は「必須」ではありません。ただし、客観的な知識レベルの証明と学習意欲のアピールとして非常に有効です。

ネットワークエンジニアが目指すべきおすすめ資格

未経験者が最初に目指すべき資格としては、IT全般の土台となる「国家資格」と、ネットワークの専門性を証明する「ベンダー資格」があります。 【国家資格】

  • ITパスポート:IT業界の基礎用語やビジネス知識を網羅的に問われる、最初の第一歩となる資格です。
  • 基本情報技術者試験:ITパスポートより一歩踏み込んだ「エンジニアの登竜門」であり、IT全般の基礎知識を証明します。

【NW専門性を磨くベンダー資格】

  • シスコ技術者認定「CCNA」
    ネットワークの基礎、IP接続、ネットワークアクセス、セキュリティの基礎などを体系的に学べる代表的なベンダー資格です。未経験者がネットワーク分野の基礎知識を示す上でも有効です。
  • シスコ技術者認定「CCNP Enterprise」
    エンタープライズネットワークに関する、より専門的な知識やスキルを証明する資格です。設計・構築などの上流工程を目指す際の評価材料になりやすい資格です。
  • ネットワークスペシャリスト試験
    IPAが実施する高度試験の一つです。ネットワークシステムの設計、構築、運用、保守などに関する高度な知識や技能を示す材料になります。

これらの資格学習を通じて「知識の土台」をしっかりと築くことが、未経験から現場で活躍し、市場価値の高いエンジニアへとキャリアアップを果たすための第一歩となります。

資格以外に有効な知識やスキル

資格取得による知識の証明だけでなく、実際の現場で活躍するためには以下のような周辺スキルも非常に有効です。

  • コミュニケーション能力:顧客折衝やチームメンバーとの連携において不可欠です。
  • クラウドの基礎知識:AWSやAzureなど、クラウド環境に関する知識は現在のインフラ構築において必須となりつつあります。
  • プログラミングスキル:サーバー構築や設定などをコードで自動化するスキルは、業務効率を高めるため現場で重宝されます。
  • 専門知識:実務で必要となるTCP/IP、OSI参照モデル、ルーター・スイッチの基礎、Ciscoコマンドといった基本に加え、IaC(TerraformやAnsible)、DevOps、SDNなどの専門技術も有効です。

これらのスキルをバランス良く磨いていくことが、将来的に設計などの上流工程へ進み、市場価値を高めるための鍵となります。

ネットワークエンジニアの年収は?

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円です。 一方で、公的統計では「ネットワークエンジニア」単独の年収区分を確認しにくいため、年収を考える際は、インフラ関連職種の統計や求人情報を参考にする必要があります。 実際の年収は、企業規模、地域、担当工程、実務経験、夜勤や資格手当の有無などによって異なります。未経験からスタートする場合は、監視・運用・保守などの業務で経験を積み、構築や設計など、より専門性の高い工程を担当できるようになることが、年収を高める一つの方法です。

ネットワークエンジニアの将来性

あらゆる業種でITインフラの整備が求められる中、ネットワークに関する知識は引き続き重要です。
一方で、クラウド化や自動化が進む中では、物理機器の設定だけでなく、クラウドネットワーク、セキュリティ、IaCなどの周辺知識を広げることも重要になります。

多様なキャリアパスを考えることができる

未経験入社後は、「監視→運用保守→構築→設計→プロジェクトマネージャー(PM)」へとステップアップしていく流れが主なキャリアパスです。
さらに実務経験を積んだ後は、以下のような多様な道を選択できます。

  • スペシャリスト:特定のネットワーク技術を極め、高度な専門知識を持つエンジニア。
  • ジェネラリスト(PMなど):プロジェクト全体を管理・統括するリーダー職。
  • 隣接領域へのキャリアチェンジ:ネットワークの知識を活かし、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニア、社内SE、ITコンサルタントなどへ転身する道。

このように、経験とスキルを掛け合わせることで選択肢は大きく広がるため、自身の適性や理想の働き方に合わせた柔軟なキャリア形成が可能です。

ネットワークエンジニアに関してよくある疑問

Q. 独学でも大丈夫ですか?
A. 基礎学習は独学でも可能です。ただし、未経験から転職を目指す場合は、資格取得や学習記録などで学習状況を示せるようにしておくことが有効です。Ping-tなどの無料学習サイトやUdemyなどのオンライン講座、参考書を活用し、CCNA取得に向けた学習から始める方が多くいます。 Q. ネットワークエンジニアからセキュリティエンジニアになれますか?
A. なれます。ネットワークとセキュリティは密接に結びついており、ネットワークの知見はサイバー攻撃を防ぐ基盤となるため、セキュリティエンジニアへのステップアップに大いに活かせます。 Q. 最初は夜勤が多いですか?
A. 担当するプロジェクトやシフトによります。日勤のみの現場もありますが、未経験者が配属されやすい「監視業務」などでは夜勤やシフト制が発生することは珍しくありません。 Q. プログラミングスキルは必要ですか?
A. 未経験の入り口では不要ですが、将来的にはネットワークの設定や管理をコードで自動化する(IaCなど)観点から、今後は必要不可欠なスキルになってきます。

ネットワークエンジニアへの第一歩を踏み出そう

ネットワークエンジニアはクラウド時代においても需要が高く、将来性も見込まれるため、未経験からでも十分に目指せるやりがいのある仕事です。 まずは、「ITパスポート」や「CCNA」といったおすすめの資格取得に向けた学習を始め、IT通信の仕組みへの興味を行動で示して第一歩を踏み出してみましょう。 そして、自分に合ったキャリアパスを描きながら、着実にステップアップしていくことが大切です。

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