コラム

2026/6/1 (月)更新

未経験でインフラエンジニアになるのは難しい?やるべきことと失敗しない企業選び

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未経験でインフラエンジニアへ 転職成功のためのロードマップ
監修者:茂神 徹

「未経験からインフラエンジニアなんて、自分にはハードルが高いのでは?」
「監視業務ばかりで数年が過ぎ、キャリアが停滞してしまわないか不安……」
IT業界への転職を考え、社会の基盤を支える「インフラエンジニア」に興味を持った未経験者であれば、このような疑問や不安を抱くのは当然のことです。

結論からお伝えすると、2026年現在、インフラエンジニアは未経験からでも十分に、そして戦略的に目指すことのできる職種です。
また、クラウド利用の一般化やAI導入の加速により、それらを支えるインフラを構築・運用できる人材の価値は、かつてないほど高まっています。

未経験からのキャリアは「監視・運用・保守」といった現場から始まることが一般的です。しかし、そこを「ただの単純作業」で終わらせるか、上流工程への「着実で戦略的なステップ」にするかは、あなたの学習実績と最初の「企業選び」にかかっています。

この記事では、インフラエンジニアを目指す20代〜40代それぞれの現実的な難易度から、年収アップに直結する資格、そして「案件ガチャ」とも言われる「希望と異なる案件が続く状態」を回避し、着実に設計・構築へ進むためのSES(準委任契約)企業選びのポイントまで、徹底的に解説します。

この記事のトピックス
  • 未経験でもインフラエンジニアになれる理由と、20代〜40代の年齢別の現実
  • 監視/保守から設計/構築へステップアップする具体的なキャリアパス
  • 失敗しないSES企業選びの6つのポイント

※本記事は2026年4月時点の情報をもとにまとめています。

未経験からでもインフラエンジニアになれる?

冒頭でもお伝えした通り、未経験からでもインフラエンジニアになることは十分に可能です。実際、現在第一線で活躍しているインフラエンジニアの中にも、全くの異業種から転職し、現場でスキルを磨いてきた人もたくさん存在します。 ここでは、未経験でも就職しやすい理由と、年齢別の転職ポイントを解説していきます。

未経験でも転職しやすい2つの理由と注意点

なぜ、未経験からでもインフラエンジニアになれると言い切れるのでしょうか?
その理由は、大きく2つあります。 ①マニュアルのある「監視・運用・保守」からキャリアをスタートできる インフラエンジニアの業務には、ITインフラの安定稼働を支える「監視・運用・保守」と呼ばれる領域があります。
未経験から転職した場合は、これらの中でも運用・保守業務からスタートするケースが多く、現場で実機や商用環境に触れながら、基礎的な実務経験を積んでいくのが一般的です。 これらの業務はマニュアルや手順書に沿って進めることが多いため、IT未経験者であっても「規律性」や「正確性」があれば活躍しやすく、企業側もポテンシャルを重視して採用する傾向があります。 一方で、未経験者が最初から「設計・構築」といった上流工程に携われるケースは多くありません。まずは運用・保守を通じてスキルや知見を身につけ、段階的に構築や設計へとステップアップしていくというキャリアパスを想定しましょう。

② IT人材不足によって企業が育成にも注力している すでにIT人材の不足は深刻ですが、2030年には最大で約79万人が不足するとも予測されています(※1)。また、総務省の調査によると、「クラウドサービスを一部でも利用している」企業の割合は2024年時点ですでに8割を超えており(※2)、インフラの安定稼働を担うエンジニアの需要は拡大し続けています。 さらに近年ではセキュリティ脅威の増加も顕著であり、インフラエンジニアは企業のシステムを守るうえで欠かせない存在となっているのです。 このように高い需要に対して人材供給が追いついていない状況から、未経験者であっても育成を前提に採用する企業が増えていると考えられます。 では、企業はどのような人材を育成したいと考えるのでしょうか?
続いて、年齢別の転職難易度ややるべきことを見ていきましょう。 ※1 出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)
※2 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書

年齢別の転職難易度と対策(20代・30代・40代)

インフラエンジニアへの転職に明確な年齢制限はありません。ただし、未経験採用では年齢によって見られやすいポイントが異なる傾向があります。
若手ほどポテンシャルを評価されやすい一方、年齢が上がるほど、これまでの社会人経験をどう業務へ活かせるかが重視されやすくなります。

インフラエンジニアへの転職に向けた年代別のポイントをまとめると以下のようになります。

  • 20代
    学習意欲や今後の伸びしろを見られやすい傾向があります。資格の勉強を始めていることや、夜勤・シフト勤務を含む働き方への理解を示せると、応募時の説得力につながります。
  • 30代
    社会人としての基礎力に加えて、継続的に学習しているかが見られやすくなります。資格取得や学習ログなど、行動として示せる材料があると説明しやすくなります。
  • 40代
    これまでの業務経験のうち、調整力、対人対応、マネジメント経験などをどうインフラ業務へ接続できるかが重要になります。未経験分野への転職であるほど、経験の活かし方を具体的に伝えることが必要です。

このように、年齢によって企業から求められるスキルやマインドは異なります。
20代はポテンシャルと熱意、30代は社会人としての基礎力、40代はリーダーシップやマネジメント力といった強みを打ち出すことが重要です。 どの年代であっても、まずは資格取得などの自主的な学習を行動で示し、これまでの経験をどうインフラ業務に活かせるのかを論理的に伝えることが転職成功への近道となります。

インフラエンジニアとは?仕事内容と種類

企業のデジタル化やAIの普及に伴い、インフラ領域の人材需要は今後も拡大すると見られています。では、その中核を担うインフラエンジニアは、どのような役割を持ち、どのような業務を行うのでしょうか。
ここでは仕事内容や職種、働きかたについて解説します。

ITインフラを支える役割を担う仕事

IT分野におけるインフラとは、Webサイトやシステム、インターネットを利用するためのサーバー、ネットワーク、OSといった基盤(土台)のことです。 インフラエンジニアは、それらの基盤が安定して稼働するように「設計・構築・運用・保守」を手がけ、ITの土台を支える役割を担います。
プログラミング言語を使ってシステムやアプリの中身を作る「開発エンジニア」とは、明確に役割が異なります。 業務工程は大きく分けて、どのような基盤を作るか決める「上流工程(要件定義や設計など)」と、実際にシステムを動かして守る「下流工程(監視・運用・保守など)」に分かれます。

インフラエンジニアが活躍する5つの領域【職種】

インフラエンジニアの仕事は、担当領域ごとに大きく5つの職種に分けられます。

用語解説
サーバーエンジニア
システムを動かすサーバーの設計・構築から運用・保守までを担当します。
ネットワークエンジニア
インターネット通信の設計・構築・運用を行い、安定した通信環境を支えます。
データベースエンジニア
膨大なデータを安全に管理し、効率的に利用できるようにします。
クラウドエンジニア
クラウド環境を活用したシステムの設計・構築・運用を行います。
セキュリティエンジニア
システムやネットワークをサイバー攻撃などの脅威から守ります。

なお、クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアとして活躍するためには、サーバー・ネットワーク・データベースといった基盤領域の知識や実務経験が土台となります。

インフラエンジニアが「きつい」と言われるのはなぜ? 「夜勤やシフト制」の実態

インフラエンジニアについて調べると「やめとけ」「きつい」といった意見を目にすることがあります。その主な理由として挙げられるのが、夜勤やシフト制による不規則な勤務や、突発的なトラブル対応の存在です。
そもそもインフラエンジニアの仕事は、人々の生活や企業の経済活動を支え、システムの24時間365日稼働を守ること。
そのため、深夜や休日でも誰かが対応しなければならないという構造的な側面があります。 ここでは、現在の実態と、応募時に確認すべきポイントについて解説します。

夜勤の有無や頻度は? 工程によって異なる実態

近年は、リモートワークの普及やクラウドの恩恵もあり、業界全体としては働きかたが緩和傾向にあると言えます。しかし、それでも夜勤や深夜作業が完全になくなることはありません。これには、主に以下の2つの理由があります。

  • 利用者への影響を最小限に抑えるため
    システムのアップデートやメンテナンス作業は、多くの利用者が使わない深夜や休日に行われるのが基本です。
  • 突発的なシステム障害へ対応するため
    24時間稼働しているシステムである以上、深夜に不測の事態(障害)が発生する可能性はゼロではありません。
    そのため、未経験からインフラエンジニアを目指す際は、以下のポイントを掘り下げて確認することが、入社後のミスマッチを防ぐ鍵となります。
  • 「夜勤の頻度」
    月に何度、夜勤があるのか。
  • 「一次対応の範囲」
    障害発生時に、自分が対応する範囲はどこまでか。

これらの情報は、求人票だけでは読み取れない場合もあるため、面接で具体的に質問することをおすすめします。

インフラエンジニアは全員シフト制? 勤務形態の違い

「監視・運用系」の業務では、システムを24時間体制で見守る必要があるため、シフト制(交代制)を導入している職場が多いのは事実です。しかし、すべてのインフラエンジニアがシフト制というわけではありません。 「設計・構築系」の業務は、カレンダー通りの土日祝休みが基本の「日勤のみ」となる求人も存在します。未経験から挑戦する場合、まずはシフト制の「監視・運用」からスタートして経験を積み、将来的に日勤のみの「設計・構築」へとキャリアアップするルートが一般的です。 企業や案件、工程によって勤務形態は大きく異なるため、応募の際は事前に「勤務形態(シフト制か日勤か)」を必ず確認し、自分の生活スタイルや適性に合っているかを検討しましょう。

未経験者におすすめの資格とスキル

インフラエンジニアになるために資格は必須ではありませんが、実務経験がない未経験者にとって資格は「学習意欲」と「最低限の共通言語を理解していること」を客観的に証明する強力な武器になります。 ここでは、未経験者がまず目指すべき資格と転職に有利なスキルについて、それぞれ解説します。

取得すべき最重要資格5選

インフラエンジニアを目指す上でお薦めの資格を5つ紹介・解説します。 業界では「AWS」「Linux」「Cisco」といった特定の製品やサービスが標準となっているケースが多いため、理論や基礎知識の証明となる資格のほか、主要ベンダーの資格も含まれています。

資格名位置づけ未経験者向けの見方補足
ITパスポートITの基礎を広く学べる国家資格最初の入口として有効試験方式・受験料は公式確認
基本情報技術者試験エンジニアの基礎力を示しやすい国家資格一歩踏み込んだ学習に向く試験方式・受験料は公式確認
AWS認定資格クラウド知識の証明実務との接続が強い受験料は公式確認
LinuC/LPIC レベル1Linuxの基礎力を示す資格サーバー理解の土台になる試験区分・受験料は公式(LinuCLPIC)確認
CCNAネットワークの基礎力を示す資格通信領域の基礎固めに有効受験料は公式確認
用語解説
ITパスポート
「ITパスポート(通称:iパス)」試験は、ITに関する基礎知識を網羅的に問われる国家試験です。ネットワークやセキュリティの基礎から、AIやIoTなどの最新技術、さらには経営戦略やプロジェクトマネジメントまで、ITとビジネスに関する知識を幅広く扱います。

社会人合格率は約50%と高いため「簡単」だと言われることもありますが、未経験者にとっては業界の基礎用語を把握するうえで非常に有効です。
試験は全国47都道府県、CBT方式で通年(随時)受験でき、日時を選びやすいのも特徴です。
基本情報技術者試験
2つ目の「基本情報技術者試験」は、多くのIT企業が取得を推奨する「エンジニアの登竜門」とも言える国家試験です。ITパスポートよりも一歩踏み込んだ、コンピュータの仕組みやアルゴリズム・プログラミングの基本、ネットワーク・データベースの技術的な理論など、エンジニアとして働くうえで不可欠な基礎知識・技能を養います。

CBT方式の試験が導入され、現在は通年で受験が可能になりました。合格率は40%前後で推移しているため、しっかりと対策すれば未経験からでも合格は可能です。
アルゴリズムやプログラミングの問題が含まれるため、ITパスポートに比べると学習のハードルは上がりますが、取得すれば現場での共通言語を理解しているという強力なアピールになります。
AWS認定資格
ここからはベンダー資格を3つ紹介していきます。
まずは、世界トップシェアのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」のスキルを認定する資格です。多くの企業が自社サーバーからクラウドへ移行している現代において、実務直結度が最も高い「最重要資格」と言っても過言ではありません。

AWS認定資格は、「Foundational(ファンデーショナル)」「Associate(アソシエイト)」「Professional(プロフェッショナル)」「Specialty(スペシャリティ)」のグレードに分かれており、未経験者〜初級者は以下の2段階でステップアップするのが王道ルートです。
まずは「クラウドプラクティショナー」で基礎用語を頭に入れ、その後に本丸である「ソリューションアーキテクト」の取得を目指しましょう。
Linux技術者認定試験(LinuC/LPIC)
続いては、サーバーの主流OSである「Linux(リナックス)」の基礎知識と操作スキルを証明してくれる「Linux技術者認定試験」です。
AWSなどのクラウド環境であっても、実際に動いているサーバーの中身(OS)の多くはLinuxです。そのため、AWSで「インフラの箱」を作るスキル、Linuxで「中身を操作する」スキルをセットで学ぶことで、インフラエンジニアとしての基礎力がしっかりと定着します。

国内向けと言える「LinuC(リナック)」と、グローバルな知名度が高い「LPIC(エルピック)」がありますが、未経験者〜初級者が最初に目指すべきは、どちらもレベル1です。
2つの試験(101試験・102試験)の両方に合格することで認定を受けられます。
シスコ技術者認定 CCNA
5つ目は、ネットワーク機器の世界最大手である「Cisco Systems(シスコシステムズ)社」が認定する世界共通基準の資格です。
シスコ認定試験は、エントリーからエキスパートまで、5つのグレードに分かれています。
「CCNA」は2番目の「Associate(アソシエイト)」レベルに位置し、ネットワークエンジニアの世界標準として広く知られています。
試験範囲はネットワークの基礎やIP接続といった通信技術に加え、現代の現場で必須となる「セキュリティの基礎」や「自動化・プログラミング」まで網羅されているのが特徴です。

CCNAを取得すれば標準的なスキルを持っている証明になる一方、現在はクラウド移行が進んでいるのも事実です。効率性を重視するのであれば、まずは優先度の高いAWSから学び、その基礎固めとしてCCNAを活用するのもよいでしょう。

エンジニアと資格についてはこちらの記事もご覧ください。

資格以外に求められる「未経験者がアピールすべきスキル」

インフラエンジニアへの転職において、知識を証明する「資格」は大きな武器になります。しかし、実務においては資格だけでは測れない「ヒューマンスキル」や「ポテンシャル」も重視されます。
特に未経験者の場合、これからご紹介するスキルや経験をこれまでの社会人生活で培っていれば、強力なアピールポイントとなり、採用の可能性を大きく広げることができるでしょう。

接客・営業経験も武器になる「コミュニケーション能力」

インフラエンジニアはパソコンに向かって黙々と作業するイメージを持たれがちですが、実際はチームメンバーや他部署と協力しながらプロジェクトを進めるため、円滑な意思疎通が不可欠です。
未経験者の場合、特に以下の場面でコミュニケーション能力が求められます。

  • ヘルプデスク業務(未経験者の登竜門)
    ユーザーからの問い合わせに対し、困りごとを正確に聞き出し、相手のITリテラシーに合わせて分かりやすく説明する力が必要です。接客や販売、コールセンターなどの経験で培った「相手に寄り添う力」がそのまま活かせます。
  • 上流工程(設計・構築)へのステップアップ
    将来的に顧客の要望を聞き出し、最適なシステム環境を提案・交渉する場面では、営業経験などで培った「ヒアリング力」や「提案力」が不可欠になります。
    そのため、これまで培った対人スキルや言語化能力が、そのまま大きな強みとして活かせるのです。

トラブルを解決する「論理的思考力」

論理的思考力とは、物事を筋道立てて考える力のことです。インフラエンジニアの実務、特にトラブル対応(障害対応)において、このスキルは最も重要と言っても過言ではありません。
システム障害などの突発的なトラブルが発生した際、「何が原因で、どうすれば復旧できるか」を感覚に頼らず、仮説と検証を繰り返して筋道立てて原因を特定するプロセスが求められるからです。 未経験者が監視・運用業務からスタートする場合でも、この論理的なトラブルシューティングができるようになれば、先輩エンジニアへの的確な報告が可能になり、周囲からの信頼を獲得できます。
結果として、より高度な上流工程(設計・構築)へ早期にステップアップするチャンスを掴めるでしょう。 採用面接においても、「大きな問題に直面した際、どう原因を分析し、解決したか」というプロセスを論理的に説明できれば、技術力以上のポテンシャルを示す強力な武器となります。

現場で重宝されるプラスアルファのスキル「プログラミング」

システムやアプリの中身(機能)を作るのは「開発エンジニア」の役割ですが、現在のインフラエンジニアにとっても「プログラミングスキル」は、非常に強力な武器になります。
その最大の理由は、インフラ業務の「自動化」が求められているからです。 クラウド化が進む現代のIT基盤では、サーバーの構築や設定、バックアップといったこれまで手動で行っていた慎重な作業を、プログラムを組んで自動化することが一般的になっています。
自動化によって、作業ミスを防ぎつつ業務効率を飛躍的に高めることができるため、「コードが書けるインフラエンジニア」は現場で非常に重宝されます。 将来的なキャリアアップや年収アップにも大きく貢献する、未経験から一歩抜け出すためのプラスアルファのスキルと言えるでしょう。

インフラエンジニアに向いている人は? 未経験者が知っておきたい「適性」の正体

インフラエンジニアは、社会のIT基盤を支える重要な役割を担うため、知識や技術はもちろん「責任感」「正確性」「探究心」といったマインドセットが強く求められます。
これらの特性を持っていれば、未経験からでも着実にスキルを身につけ、プロフェッショナルとして長く活躍できるようになるでしょう。 インフラエンジニアに向いている人、そして少し注意が必要な人(向いていない可能性がある人)の特徴をまとめました。

向いている人の3つの特性

インフラエンジニアとして活躍できる可能性が高いのは、以下のような特性を持っている人です。

電球アイコン

①「正確な作業」を地道にコツコツ続けられる
インフラエンジニアの業務は、手順書(マニュアル)通りの慎重な作業が基本です。「独自のやりかた」よりも「誰がやっても同じ結果になる(再現性)」ことが最重要視されます。特に未経験者の入り口となる「監視・運用・保守」の工程では、些細な変化やアラート(警告)を見逃さない正確性が高く評価されます。

②新しい技術への「知的好奇心」が旺盛
IT業界の技術革新は非常に速く、インフラ領域も例外ではありません。クラウドや自動化技術など、新しい技術が次々と登場します。将来的に上流工程(設計・構築)へステップアップするためには、資格取得のための勉強はもちろん、最新技術を自ら地道に学び続ける探究心が欠かせません。

③「裏方」として誰かを支えることにやりがいを感じる
インフラエンジニアは、システムが「当たり前に使える」環境を守る仕事です。ネットワークがつながる、サーバーが動く、そうした日常を献身的に支えることに喜びを感じられる人に向いています。
目立つ仕事ではありませんが、社会貢献度が非常に高く、縁の下の力持ちとして周囲から深く感謝される仕事です。

注意が必要な人の3つの特性

逆に、以下のような特性が強い人は、インフラエンジニアの業務にストレスやギャップを感じてしまうかもしれません。ただし、これらは意識や環境で克服できるものもあります。 ①ルールや手順に従うことが極端に苦手
手順書を無視した独自のやりかたは、システム構築における再現性を阻害し、重大な障害を引き起こす原因となります。チーム全体で決めたルールを守り、安定稼働を最優先に考えられない人は不向きと言えます。 ②予期せぬトラブルに直面すると冷静さを欠いてしまう
システム障害は、インフラエンジニアにとって避けては通れないイベントです。トラブル発生時に焦って闇雲に対応すると、被害を広げてしまう可能性があります。
落ち着いて、マニュアルやエラーの記録(ログ)から論理的に原因を特定できる冷静さが必要です。 ③「派手なモノづくり」だけを期待している
システムの些細な変化やエラーの予兆に気づくためには、日々のログ確認や地道な改善活動が不可欠です。Webサイトやアプリのような、表に見える派手な「モノづくり」にしか興味がないと、インフラエンジニアの地道な作業にギャップを感じ、モチベーションを保つのが難しくなるでしょう。 まずは自分の適性を客観的に見つめ直し、強みを活かせるか確認してみましょう。 これらの特徴は、あくまで一般的な目安です。もし「向いていない人の特性」に当てはまるものがあったとしても、ITインフラへの強い興味や、社会貢献への意欲があれば、意識を変えることで克服できる場合もあります。

未経験から設計・構築へ〜インフラエンジニアの王道キャリアパス〜

「未経験だと監視ばかりで、設計・構築などの上流工程へ進めないのでは?」と不安に思うかたもいるでしょう。
結論から言うと、未経験から上流工程へステップアップすることは十分に可能ですが、そのためには地道な経験の積み上げが必要です。 ここでは、一般的なインフラエンジニアのキャリアパスを紹介します。

まずは「運用フェーズ」で基礎を固める(目安:1〜3年)

未経験者のインフラエンジニアキャリアは、マニュアルに沿ってITインフラを「守る」業務から始まるのが一般的です。

  • ヘルプデスク・監視
    ユーザーからの問い合わせ対応や、システムが正常に動いているかを監視する業務です。ITの基礎用語やビジネスマナー、顧客対応力を養います。
  • 運用・保守
    トラブル発生時の初期対応や、定期的なメンテナンス(設定変更やアップデートなど)を行います。システムが動く仕組みを実践的に学び、トラブルへの耐性をつけます。

まずはこうした「下流工程」でシステム全体の動きや現場のルールを把握することが、上流工程へ進むための最短・王道ルートです。 一方で、そのまま1本道を上流工程に向かって進むだけではなく、この時点で自分に合ったキャリアへ向かうという選択肢も存在します。
例えば、ヘルプデスクを経験した後、社内ITのシステム管理やインフラ運用担当を目指すといったキャリアも考えられるでしょう。

実務経験を積み「設計・構築フェーズ」へステップアップ

運用フェーズでおよそ1〜3年程度の経験を積み、並行して上位資格(CCNPやLPICレベル2など)を取得することで、いよいよITインフラを「作る」上流工程へ進みます。

  • 構築
    設計書に基づいて、実際にサーバーやネットワーク機器の設定を行い、システムを作り上げる業務です。
  • 設計・要件定義
    顧客の要望をヒアリングし、どのようなシステム構成にするか(要件定義)、具体的な機器や設定はどうするか(設計)を決定する、最上流の業務です。

この段階になると、技術力だけでなく、顧客との交渉力やプロジェクトを管理する能力も求められるようになります。

その後の多様なキャリア分岐

設計・構築を経験した後は、自分の適性や興味に合わせて、さらに専門性の高いキャリアを選択できます。

キャリア方向性具体的な職種・役割例特徴
技術を極める
(スペシャリスト)
インフラスペシャリスト
クラウドエンジニア
特定の技術領域において、社内で誰も敵わないほどの深い知識とスキルを持ちます。
組織を動かす
(マネジメント)
PM(プロジェクトマネージャー)
チームリーダー
プロジェクトの予算、スケジュール、人員を管理し、組織として成果を出す役割です。
最先端トレンドを追うSRE
(サイトリライアビリティエンジニア)
実務経験後、プログラミングスキルを駆使して、インフラの運用自体を自動化・効率化する。
自社システムを守る社内SE(社内ITインフラ担当)自社のIT環境を支える側へ回り、ベンダーコントロールや社内DXを推進します。

インフラエンジニアのキャリアは、未経験からのスタートであっても、非常に多岐にわたります。
最初は監視や運用といった地道な業務から始まりますが、実務経験を積むことで設計・構築、さらにはスペシャリストやマネジメント層へと着実にステップアップすることが可能になるのです。

インフラエンジニアの年収はいくら? 未経験からの現実的な推移

インフラエンジニアへの転職を考える際、当然気になるのが「年収」です。 国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は478万円とされています。
一方で、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2023年データ)」にある「システムコンサルタント・設計者」や「ソフトウェア作成者」といったIT関連職のデータを見ると、「ITエンジニア」の年収は全体平均を大きく上回る傾向にあります。 ただし、政府統計には「インフラエンジニア」という単一職種の集計項目はありません。また、同じ領域でも「ヘルプデスク」と「設計」では専門性が異なるため、年収レンジも広くなっています。 インフラエンジニアの年収は、「ITエンジニア全体の高水準さ」に加え、「個人のスキルと経験」によって大きく変動するのが最大の特徴です。

経験年数別に見る年収レンジの目安

では、未経験でインフラエンジニアになった場合、「個人のスキルと経験」によって年収はどのように推移していくのでしょうか。
あくまで目安ではありますが、経験年数に応じた年収レンジについて一般的な目安を紹介します。

経験目安担当業務年収レンジ
未経験~2年目監視・運用オペレーション300万円~350万円程度
3年目~4年目運用保守・軽微な構築作業350万円~500万円程度
5年目~7年目構築・設計業務への参画450万円~600万円程度
8年目~10年目以降設計・PM・スペシャリスト600万円~800万円程度

※夜勤手当の有無や保有資格、地域によって変動します。

​​未経験から「高年収」を掴むためのキャリア戦略

表の通り、初年度の年収は国内平均を下回るケースもあります。しかし、インフラエンジニアの大きなメリットは「実力主義で、その後の上がり幅が非常に大きい」点にあります。
早期に、そして大幅に年収をアップさせるためには、以下の3点が重要です。

  • 資格取得で「技術手当」を狙う
    CCNAやLinuC、AWS認定資格などを取得することで、月々の給与に数万円の手当が加算される企業も多いため、即効性のある年収アップが期待できます。
    ただし、資格手当の有無や金額は企業により異なります。求人票や制度を確認しましょう。
  • 「監視・運用」から「設計・構築」へ早期に移る
    年収の大きな壁は、自分で「仕組みを作る」工程に移れるかどうかにあります。現場で積極的に知識を吸収し、早めに上流工程の経験を積むことが鍵です。
  • 市場価値の高い「クラウド・セキュリティ」を学ぶ
    従来の物理サーバーだけでなく、AWSなどのクラウド領域やセキュリティに強いエンジニアは、2026年現在、極めて市場価値が高い人材として評価されています。
    こうした特性を理解し、高い意識を持つことで、未経験からでも数年で平均年収を大きく追い抜くことが可能です。

転職を成功させる!企業選びのポイントと志望動機

インフラエンジニアへの転職を成功させるためには、「どこでもいいから入る」のではなく、「自分の目指すキャリアを積める環境か」を見極めることが重要です。
ここでは、未経験者が知っておくべき企業形態の違いと、失敗しないための企業選びのポイントを解説します。

未経験者の転職先はどこ?SESとSIerの違いは?

インフラエンジニアが働く環境には、SESやSIerなど複数の形があります。未経験者向けの求人では、客先常駐を含む案件に配属されるケースも多く、企業ごとに担当工程や育成体制が大きく異なります。 そのため、「SESかSIerか」だけで判断するのではなく、実際にどの工程を経験できるか、教育体制があるかを確認することが重要です。

区分働き方の傾向主な役割身につきやすい経験
SES客先常駐になる案件が多いプロジェクト先で技術支援を行う現場経験、運用・構築経験
SIer自社内勤務・客先常駐の両方があるシステムの設計・構築・導入を担う上流工程、調整・管理経験

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、まずは「運用・保守」や「監視」などの現場経験を積める企業へ入社するケースが一般的です。 重要なのは企業区分の名称ではなく、未経験者向けの教育、配属後のフォロー、設計・構築へ進める案件の有無といった中身なのです。

失敗しないSES企業選び6つのポイント

未経験からインフラエンジニアのキャリアをスタートさせる際、SES企業は多様な経験を積める有効な選択肢であることに間違いありません。しかし、「SESはどこも同じ」ではありません。
企業によって教育体制や評価基準が大きく異なるばかりか、中には「案件ガチャ」と呼ばれるように、希望のキャリアが積めない現場ばかりに回される企業も存在します。 SES企業を選ぶ際、ミスマッチを防ぐためには以下の6項目をチェックしてください。

  1. 教育・研修制度が「継続的」か
    入社時だけでなく、1年後、2年後に「設計・構築」へステップアップするための支援(上位資格の取得手当や技術研修)があるかを確認しましょう。
  2. 「設計・構築」などの上流工程を請け負っているか
    監視・運用専門の会社では、希望する工程を経験しにくいなど、数年経ってもキャリアが停滞するリスクがあります。上流工程がどの程度あるか聞くのがポイントです。
  3. 相場より高待遇すぎる求人は避ける
    未経験に対して「初年度から年収500万円以上」など、高年収を謳う求人は、過酷な現場である等のリスクが想定されるため注意が必要です。
  4. 雇用形態が正社員か
    「契約社員」や「個人事業主」としての契約を勧める企業もありますが、未経験のうちは、福利厚生や教育体制が保証された「正社員」として働ける環境を選びましょう。
  5. 営業やキャリア担当が配属後も伴走するか
    現場配属後、自社の担当者と連絡が取れなくなるケースも存在します。定期的な面談や、フォロー体制があるかは、未経験者にとって死活問題です。
  6. 「待機時」の給与保証と評価制度
    次の現場が決まるまでの「待機期間」の給与と、現場での頑張りがどう給料に反映(昇給)されるのかは、基準をあらかじめ確認しておきましょう。

インフラエンジニアは、最初の1〜2年を「どの環境で過ごすか」でその後の市場価値が大きく変わります。 焦らず、着実にステップアップできる環境を自分の目で見極めましょう。

採用担当を惹きつける志望動機・自己PR

企業選びのポイントがわかったら、次は選考への対策について考えましょう。
担当者は未経験者の「伸びしろと意欲」のほか、あなたの価値観やこれまでの経験とインフラエンジニアとしての仕事の接続性を重視しています。 具体的には以下について考えを整理しておくことをおすすめします。

  • なぜインフラエンジニアになりたいのかを言語化する
    インフラの特性と自分の価値観を結びつけると良いでしょう。
  • 「学習の事実」を具体的に示す
    「今、具体的に何をどこまでやっているか」という事実が最も信頼されます。
  • 前職の経験を「インフラ業務」に変換する
    IT未経験であっても、これまでの社会人経験は大きな武器になります。

ここまで解説した「キャリアパス」や「企業選びのポイント」を理解した上で、自分の言葉で熱意を伝えれば、未経験からでもインフラエンジニアへの道は必ず開けます。

インフラエンジニアに関してよくある疑問

インフラエンジニアを目指す未経験者から寄せられる、よくある疑問にQ&A形式でお答えします。 Q. 文系未経験でもインフラエンジニアになることはできますか?
A. できます。
要件定義などの上流工程においても、文系ならではの「言語化能力」や「コミュニケーション能力」が大いに活かせます。技術的な知識は後からでも身につけることが可能です。 Q. 資格なしでも応募は可能ですか?
A. 応募自体は可能ですが、いくつかの資格取得をおすすめします。
取得前であっても面接では最低限「現在学習中」という事実を伝えられるようにしましょう。 Q. やっぱり最初は夜勤が多いですか?
A. 担当するプロジェクトやシフトによります。
日勤のみの現場も増えていますが、監視業務などでは夜勤が発生することも珍しくありません。 Q. 監視業務から構築業務へは誰でも進めますか?
A. 可能です。
ただし、日々の業務に加えて自ら新しい技術を学ぶ姿勢が不可欠です。学習を続けることで、上流工程へのステップアップや年収アップのチャンスが掴めます。 Q. SESは避けるべきですか?
A. 「SESだから」を理由に避ける必要はまったくありません。
むしろ、未経験からインフラエンジニアを目指す際のファーストキャリアとして SESは一般的です。重要なのは「働く環境」であり、「その企業で何が経験できるか」「評価制度やフォロー体制が整っているか」を判断基準にしてください。

【まとめ】未経験からインフラエンジニアへの第一歩を踏み出そう

インフラエンジニアは、人々の「当たり前」を支える、未経験からでも「目に見えるスキル」を武器に、着実なキャリアアップと年収アップを狙える職業です。 最後に、エンジニアとしての第一歩を成功させるためのポイントを3つにまとめます。

  • 「行動」で意欲を示す
    「勉強したい」という言葉だけでなく、「ITパスポート」や「LinuC」などの学習を今日から始めましょう。その熱意と行動力が、面接での何よりの自己PRになります。
  • 「下流工程」を通過点と捉える
    監視や運用は、システム全体を理解するための「修行期間」です。そこで何を学び、どのように次のステップ(設計・構築)へ繋げるか、常にゴールを意識しましょう。
  • 「環境選び」に妥協をしない
    あなたの数年後の市場価値を決めるのは、最初に所属する職場の「サポート体制」と「案件の質」です。本記事で紹介した「6つのポイント」を指針に、キャリアを共に歩める企業を見極めてください。

IT人材の需要はますます加速しています。あなたが手にする技術は、将来にわたってあなた自身を支える一生モノの資産になるはずです。 焦らず、しかし着実に未来のインフラエンジニアへの道へ一歩を踏み出し、将来のキャリアパスを描いてみましょう。

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