
コラム
2026/5/12 (火)更新
VBAエンジニアの仕事内容とは?未経験からの学習方法や将来性について

監修者:茂神 徹
「VBAはもう時代遅れではないか」という声を耳にして、学習をためらっていませんか。実は、多くの日本企業において「Excel」は業務の中核であり続けており、VBAエンジニアの需要は現在も底堅く存在していると考えられます。特に、Excel運用が根強い事務・経理・営業管理などの現場では、既存マクロの保守や改善ニーズが残ることがあります。
本記事では、VBAエンジニアの仕事内容や年収の目安、将来性から、未経験者が実務経験を積むための学習ステップ、さらに客先常駐・派遣・SESといった働き方を活用したキャリア形成について解説します。
この記事のトピックス
- VBAエンジニアの具体的な仕事内容と年収目安、求められるスキル
- 「VBAは古い」と言われる背景と、AI時代における将来性の実態
- 未経験から実務経験を積むための学習ステップと客先常駐・SESの活用法
VBAエンジニアの仕事内容と年収目安

VBAエンジニアとは、Microsoft Office製品に搭載されているプログラミング言語「VBA(Visual Basic for Applications)」を使用し、業務の自動化ツールやシステムを開発する専門職です。
マクロ記録とVBA開発の違い
VBAエンジニアの業務は、Excelの「マクロ記録」機能とは性質が異なると言えます。マクロ記録は操作を録画・再生する機能ですが、VBAプログラミングでは論理的な思考(アルゴリズム)を組み立て、複雑な業務課題を解決するシステムを構築します。
| 機能 | マクロ記録 | VBAプログラミング |
|---|---|---|
| 仕組み | 操作を録画・再生 | コード(プログラム)で命令を作成 |
| 柔軟性 | 決まった操作のみ | 条件分岐・繰り返しが可能 |
| エラー対応 | 対応が難しい | エラー処理を実装可能 |
| 外部連携 | 対応が難しい | Web、データベース、メール等と連携可能 |
VBAエンジニアは「もしAならB、そうでなければC」といった処理を設計し、ユーザーの業務効率を向上させるツールを作り上げることが主な役割となります。
具体的な業務と活躍の場
VBAエンジニアの仕事は多岐にわたる可能性があります。現場の業務フローを理解し、ボトルネックを解消するシステム開発全般を担当することが一般的です。
- 業務効率化ツールの新規開発: 請求書の自動発行、勤怠データの集計、シフト表の自動生成など
- 既存ツールの改修・保守: 過去に作成されたマクロの修正や、前任者が作成した複雑なコードの解読・メンテナンス(現場では「読み解く力」も重要視されます)
- データベース連携: AccessやSQL Serverからデータを抽出し、Excelで帳票として出力するシステム構築
- 外部アプリ連携: Outlookでのメール一斉送信、Webからのデータ収集など
「事務作業の自動化」に関する幅広い領域が、VBAエンジニアの活躍フィールドとなる可能性があります。
年収は"VBA単体"より"業務×周辺スキル"で伸びやすい
VBAエンジニアの年収は、「VBAが書けるかどうか」だけでは決まりません。報酬に影響を与える要素として、以下の4つが挙げられます。
- 業務理解の深さ: 経理の仕訳ルールや営業管理の業務フローなど、現場の業務知識があるほど的確な提案ができ、評価につながりやすい傾向があります。正社員: 年収400万~6500万円程度が目安と言われています。未経験の場合は350万円程度からスタートし、上流工程に関わることで昇給していく傾向があります。
- 要件定義・改善提案の有無: 「言われたものを作る」だけでなく、「こうすればもっと効率化できます」と提案できるかどうかで、担当できる案件の幅が変わる可能性があります。派遣・SES: 時給1,700円~2,500円程度が相場とされることが多いようです。経験者であれば時給3,000円程度の案件も存在する可能性があります。
- 周辺スキルの有無: SQL、Power Automate、Power Queryなどを組み合わせられると、対応できる案件の範囲が広がります。フリーランス: 月単価50万~80万円程度(年収換算600万~1,000万円程度)のケースも見られます。VBAに加えてSQLやRPAなどの周辺技術を習得していると、評価につながりやすい傾向にあります。
- 成果物の保守性: 自分がいなくなった後も他の人がメンテナンスできる、属人化しない設計ができるかどうかも評価ポイントになることがあります。
まずは「Excel業務の自動化で月◯時間削減」のように、成果で語れる状態を目指しましょう。具体的な数字で効果を示せると、次のステップにつながりやすくなります。 なお、案件単価は契約形態(派遣、業務委託、SES、請負など)や担当範囲によって大きく異なります。「VBAさえ習得すれば高単価が得られる」というわけではないため、実際の求人情報に記載されている業務範囲・必要スキル・報酬条件を必ず確認し、ご自身のスキルや経験と照らし合わせて判断することが大切です。
求められるコミュニケーション力
VBAエンジニアには、プログラミングスキルと同様にコミュニケーション能力が大切です。VBAツールの利用者は、IT専門職ではない事務担当者や営業担当者であるケースが多いためです。 現場が抱える「本当の困りごと」を引き出すヒアリング能力に加え、「経理の仕訳ルール」や「勤怠管理の規定」といった業務そのものを深く理解しようとする姿勢が重要です。「このように自動化すれば作業負担が軽減されます」と提案でき、かつ自分がいなくなった後でも他の人がメンテナンスできる可読性の高いコーディング技術が、信頼につながると考えられます。
「VBAは古い」説と将来性の実態

インターネット上では「VBAは古い」という意見も見られますが、実際の市場環境はどうなのでしょうか。
クラウド普及とVBAの立ち位置
VBAが「古い」と言われる理由の一つに、クラウドサービス(SaaS)の普及やPythonなどの新しい言語の台頭が挙げられます。また、Microsoft自身が「Power Automate」などの新しい自動化ツールを推進していることも背景にあると考えられます。 確かに、大規模なWebアプリケーション開発やAI開発の分野では、VBAの出番は限定的かもしれません。しかし、これは「適材適所」の問題であり、VBAの価値が失われたわけではありません。現場レベルの細かな自動化において、VBAの手軽さと柔軟性は依然として有効な選択肢となり得ます。
根強いExcel文化と移行コスト
VBAの需要が継続すると考えられる大きな理由は、日本企業の業務基盤が依然として「Excel」にあるケースが多いことです。多くの企業では、日々の売上管理、在庫管理、顧客リストなどがExcelで運用されています。 これらに組み込まれた膨大なVBA資産をすべて新しいシステムに移行するには、大きなコストがかかる可能性があります。既存のVBAツールと同じ機能をWebシステムで開発しようとすると、多額の予算が必要になるケースも珍しくありません。また、使い慣れたExcelの操作性を維持したいという現場のニーズも根強いものがあります。 こうした背景から、「Excelを使い続けながら効率化したい」という需要は今後も続く可能性が高く、VBAエンジニアの活躍の場は維持されると考えられます。
DX・RPAとの共存と新たな価値
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)やRPA(Robotic Process Automation)の導入が進んでいますが、ここでこそVBAエンジニアのスキルが活きる場面があります。RPAツールは高機能ですが、「Excel内部の複雑な処理」についてはVBAの方が適している場合があるためです。 RPAでデータを運び、VBAで加工するというハイブリッドな自動化が現場の解決策となるケースが増えています。若手エンジニアがWeb系言語に流れる中、「VBAのコードが読めて、RPAとも連携できるエンジニア」は、現場で重宝される存在になる可能性があります。 また、Microsoft 365 Copilotなどの生成AIの登場により、VBAのコード生成や修正は格段に容易になりました。しかし、AIが生成したコードが正しいか判断し、微修正を加えるためにはVBAの知識が不可欠です。「AIにコードを書かせ、人間が監督する」という新しい開発スタイルが定着しつつある今、VBAの基礎知識を持つエンジニアは、AIを使いこなす人材として改めて評価される傾向にあります。
VBAを活用する際の現実的な制約
VBAは便利なツールですが、導入や運用にあたって押さえておくべき制約もあります。 ブラウザ版Excelの制限: Excel for the web(ブラウザ版)では、VBAマクロの作成・実行・編集ができません。クラウド環境への移行を検討している場合は、マクロ前提の運用が継続できるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。 セキュリティ設定への対応: 現在のOfficeでは、「インターネット由来のファイルに含まれるマクロを既定でブロックする」設定が一般的です。社内でVBAツールを運用する際は、信頼済み場所の指定、デジタル署名の付与、グループポリシーの適用といったセキュリティ設計を適切に行う必要があります。
未経験からの学習ステップ
VBAの大きな利点は、Excelさえあれば、追加費用なしで開発環境が手に入ることです。高価なソフトを購入する必要も、複雑な環境構築も不要です。
基礎学習と開発環境の準備
まずは以下の基礎を固めることが大切です。
- VBE(Visual Basic Editor)の起動: 「開発」タブからエディタを開く方法を覚えます。
- 基本構文の習得: 変数、四則演算、条件分岐(If文)、繰り返し処理(For文、Do Loop文)などを学びます。
- オブジェクト操作: セル(Range, Cells)、シート(Worksheets)、ブック(Workbooks)の操作方法を理解します。
- デバッグ技術: コードを1行ずつ実行(ステップイン)して動作を確認する方法を身につけます。
動画教材や入門サイトを活用し、実際にコードを書いて動かしてみることが習得への近道となります。
実践的なポートフォリオ作成
基礎を学んだら、実践に移ることが推奨されます。チュートリアルをなぞるだけでなく、自分オリジナルのツールを作成してみることが効果的です。ポートフォリオは求職活動時のアピール材料になります。 おすすめのテーマ例:
- 一覧データから個別の請求書シートを作成しPDF化する「請求書自動作成ツール」
- 入力フォームを作成してデータを蓄積する「家計簿・売上管理ツール」
- 特定サイトから情報を取得してExcelにリスト化する「Webデータ収集ツール」
「どのような課題があり、どう解決したか」を説明できるように整理しておくと良いでしょう。
資格取得によるスキルの証明
未経験者がスキルを客観的に示すために、資格取得は有効な手段の一つです。特に「VBAエキスパート」は、株式会社オデッセイコミュニケーションズが運営する民間資格であり、ExcelやAccessにおけるマクロ・VBAのスキルを証明する試験として知られています。 VBAエキスパートには、ExcelとAccessそれぞれに「ベーシック」と「スタンダード」のレベルが設定されており、計4種類の試験科目があります。
- Excel VBA ベーシック: VBAの基本文法を理解し、Visual Basic Editorを使った基礎的なマクロの読解・記述能力を診断。変数、セル・シート・ブックの操作、条件分岐、ループなどが出題範囲に含まれます。
- Excel VBA スタンダード:ベーシックレベルの内容に加え、配列、検索とオートフィルター、並べ替え、テーブル操作、エラー対策など、より高度なマクロの読解・記述能力を診断。実務で必要となる応用スキルが問われます。
ベーシックは「VBAの基本を理解している」ことの証明として位置づけられ、スタンダードは「実務で必要となる応用力がある」ことを示す資格と言えます。スタンダードレベルの出題範囲にはベーシックの内容も含まれるため、段階的に学習を進めることで、実務に直結した知識を体系的に習得できる可能性があります。 資格の勉強を通じて、独学では抜け落ちがちな「体系的な知識」を網羅できるメリットもあります。詳細な出題範囲やサンプル問題については、VBAエキスパート公式サイトで確認することをおすすめします。
プラスアルファの周辺スキル
VBAエンジニアとしての市場価値を高めるには、周辺スキルの習得も検討すると良いでしょう。
- Pythonとの連携: Excel上でPythonが利用できる「Python in Excel」の活用や、データ分析・AI活用の領域に踏み込むことができます。
- RPA(Power Automate等)との連携: 自動化の範囲をデスクトップ全体へ拡張できます。VBAでExcelデータを整え、RPAで基幹システムに入力するといった連携スキルは需要があると考えられます。
- SQLの習得: データベース連携による本格的な業務アプリケーション構築が可能になり、対応できる案件の幅が広がる可能性があります。
よくある質問

VBAは今から勉強しても意味がありますか?
学ぶ価値は十分にあると考えられます。 日本企業の多くがExcelを業務に使用しており、その効率化を担うVBAエンジニアの需要は底堅いと言えます。また、VBAは学習のハードルが比較的低く、未経験からIT業界へ挑戦する入り口として適した選択肢の一つです。
VBAエンジニアの年収はどれくらいですか?
雇用形態や経験によって異なりますが、正社員の場合は年収400万~600万円程度が一般的な目安とされています。未経験の場合は350万円程度からスタートし、経験を積むことで昇給していく傾向があります。フリーランスの場合は、さらに高い単価の案件も存在する可能性があります。
未経験でもVBAエンジニアになれますか?
未経験からでも目指すことは可能です。 VBAは開発環境の準備が比較的容易で、学習に取り組みやすい言語です。基礎学習とポートフォリオ作成、資格取得などを経て、未経験歓迎の求人に応募し実務経験を積むステップが、エンジニアへの近道の一つと考えられます。
まとめ
VBAエンジニアは、企業の現場に近い場所で業務効率化という成果を出せる仕事です。「VBAは古い」という言葉もありますが、日本企業にExcelがある限り、その需要は継続する可能性が高いと考えられます。 まずはExcelを開いてVBEを起動してみる、あるいは未経験歓迎の求人情報をチェックしてみる。その行動が、エンジニアとしてのキャリアを切り拓く第一歩になるかもしれません。
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