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2026/5/12 (火)更新

システムエンジニア(SE)に資格は必要?おすすめ19選とロードマップ

# ITエンジニア# システムエンジニア# IT系資格# 未経験# 転職活動
おすすめ資格19選も紹介!システムエンジニアに資格は必要?
監修者:茂神 徹

「未経験からシステムエンジニア(SE)になりたいけれど、資格がないと採用されない?」「文系出身でIT知識はゼロ。何から勉強すればいいの?」

SEとしての就職・転職を考える際、このような不安を抱くのは当然です。結論から言えば、SEになるために、資格は必須ではありません

ただし、IT領域は人材需要が高い一方で、職種・工程ごとに求められるスキルも多岐にわたります。未経験から挑戦するには、継続的な学習と現場での経験の積み上げが不可欠です。そんな時、資格は「学習した内容を第三者にわかりやすく伝えるアイテム」として役立ちます。実際の選考では、資格とポートフォリオ(または学習記録)をセットで示し、説得力のある説明を行うことが重要なポイントとなるでしょう。

この記事では、SEにおすすめの資格19選と、キャリアアップに向けたロードマップを解説します。

※本記事は2026年1月時点の情報をもとにまとめています。
※本記事におけるSEとは、従来のシステムエンジニアだけでなく、Webエンジニアやインフラエンジニアなど、開発・構築に携わる技術職全般を指します。
※記事内の金額は税込の表示となります。なお、海外ベンダーの試験料金は為替レートや価格改定により変動するため、お申し込みの際は必ず公式サイトで最新の価格をご確認ください。

この記事のトピックス
  • SEに資格は必須ではないが、未経験の「やる気証明」には最適
  • 未経験者がまず取るべき資格と、キャリア別の推奨資格19選
  • 最短でエンジニアとして成長できる学習ロードマップ

システムエンジニア(SE)になるために資格は必要?

システムエンジニア(SE)になるために、資格は絶対条件ではありません。 求人票に必須事項として具体的な資格名が記載されているケースは少なく、ポテンシャルや意欲を重視して採用を行う企業も数多く存在します。 しかし、未経験者が就職・転職活動をする場合、資格を持っている方が有利になるのは事実です。 なぜなら、実務経験がない未経験者にとって、資格はやる気の証明であり、現場で飛び交う共通言語を最低限理解していることの裏付けになるからです。 資格に加えて「ポートフォリオ(実績・成果物)」も提示できれば、より説得力が増します。 ここでは、未経験者が資格を取得する具体的なメリットについて解説します。

就職・転職時に一定の知識を持っている証明になる

就職・転職時に企業に対して、自分が持つ知識やスキルを客観的に証明できるのは、資格取得の最も大きなメリットです。 未経験者の採用面接では、多くの応募者が意欲をアピールしますが、言葉だけで信頼を勝ち取るのは容易ではありません。 資格という「結果」を示せば、以下の2点を証明できるので、説得力は段違いに増すでしょう。

1.熱意が口先だけのものではないこと

Web系の開発現場など、技術の変化が早い環境では、入社後も学び続ける姿勢が求められます。 難しい専門知識を自分で学び、試験合格という目標を達成した過程そのものが、エンジニアにとって重要な「自走力」と「熱意」の証明になるのです。 「頑張ります」という言葉だけでなく、具体的な行動と結果で意欲を示せることは、実務経験のない未経験者にとって大きな強みです。

2.最低限の基礎知識を習得していること

実績がなければ、「独学で勉強しました」といくら主張しても、採用担当者にその知識が実務で通用するレベルだと信じてもらうのは難しいものです。 しかし、公的機関や業界団体が定めた基準に基づく資格を示せば、SEとして働くための最低限の技能や知識を持っていることを客観的に証明できます。 また、実務でよく使われる用語を理解しているという安心感も与えられるため、「この人なら入社後のOJT(実務研修)もスムーズに進みそうだ」と評価され、選考を有利に進める強力な材料になります。

新しいスキルを身につけるための学び始めに有効

資格学習は単なる暗記ではなく、新しいスキルを身につける「リスキリング」の有効な第一歩です。 まったく未知の分野であるエンジニア職に飛び込む際、「何から手をつければいいかわからない」と迷う人は少なくありません。 しかし、体系化された資格のカリキュラムに沿って学習すれば、必要な知識を無駄なく効率的に習得できます。 実際、公的機関が行った調査でも、非先端IT従事者(従来型IT人材)の約3割が、スキル獲得・向上のために「資格取得のための勉強」が有効であると回答しています※。 まずは資格学習を通じて適性を確認し、自信をつけるところから始めてみましょう。

出典:デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2024年度)(独立行政法人情報処理推進機構/調査対象:国内企業に所属するデジタル人材1,454名/調査期間:2025年2月17日〜2025年3月11日)

システムエンジニア(SE)になりたい人におすすめの資格19選

IT業界の資格には、領域やレベルに応じてさまざまな種類があります。 ここでは、システムエンジニア(SE)になりたい人におすすめの19種類の資格を、未経験者にとっての推奨度とともに紹介します。 ▼SEにおすすめの資格19選一覧表

未経験者へのおすすめ度※1名称資格種別/運営団体特徴合格率※2実施時期受験料
★★★ITパスポート試験国家資格/IPAビジネスとITの基礎知識を証明する入門資格49.9%通年7,500円
★★基本情報技術者試験国家資格/IPA全エンジニア必須のIT基礎理論を網羅39.7%通年7,500円
Java SE 認定資格ベンダー資格/Oracle社開発現場の共通言語「Java」の実践力を証明非公開通年約15,000円〜  (変動あり)※4
オラクルマスターベンダー資格/Oracle社世界標準のデータベース「Oracle」の管理技術非公開通年約 38,000円(変動あり)※4
応用情報技術者試験国家資格/IPAワンランク上の技術と応用力を証明する23.4%期間内で日時選択※37,500円
システムアーキテクト試験国家資格/IPAシステム全体の設計図を描く上流工程のプロ15.5%期間内で日時選択※37,500円
データベーススペシャリスト試験国家資格/IPA膨大なデータ基盤を支える設計・管理の専門家18.4%期間内で日時選択※37,500円
エンベデッドシステムスペシャリスト試験国家資格/IPAハードとソフトを融合させるIoT開発のスペシャリスト15.3&期間内で日時選択※37,500円
★★★AWS認定資格ベンダー資格/AWS社クラウド時代の必須スキル「AWS」の実務力を証明非公開通年約15,000円〜(変動あり)※4
Linux技術者認定試験ベンダー資格/LPI-JapanまたはLPI日本支部サーバーOSの代表格「Linux」の構築・運用スキル非公開通年16,500円〜(変動あり)※4
★★シスコ認定試験 CCNAベンダー資格/Cisco社ネットワーク機器シェアNo.1「Cisco」の国際資格非公開通年3 00米ドル(税抜/変動あり)※4
ネットワークスペシャリスト試験国家資格/IPA大規模ネットワークを支える技術を問う国家試験17.8%期間内で日時選択※37,500円
ITサービスマネージャ試験国家資格/IPA顧客に安定したサービスを提供する運用の責任者14.7%期間内で日時選択※37,500円
★★情報セキュリティマネジメント試験国家資格/IPA組織を守る情報セキュリティ管理の基礎と実践70.2%通年7,500円
情報処理安全確保支援士試験国家資格/IPA国家資格「登録セキスペ」を取得できる試験20.7%期間内で日時選択※37,500円
システム監査技術者試験国家資格/IPAシステム・セキュリティ対策の監査を行うスペシャリスト16.1%期間内で日時選択※37,500円
PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)ベンダー資格/PMI世界標準のプロジェクト管理資格非公開通年655ドル(税抜/変動あり)※4
プロジェクトマネージャ試験国家資格/IPAプロジェクトを成功へ導く現場の総監督14.3%期間内で日時選択※37,500円
ITストラテジスト試験国家資格/IPA経営とITを結びつけるエンジニアの最終到達点15%期間内で日時選択※37,500円

※1 未経験者へのおすすめ度:★★★=最優先、★★=余裕があれば、★=実務経験後に推奨
※2 出典:【ITパスポート試験】統計情報(IPA)、統計情報(IPA)
※3 2026年度から導入予定(2025年度までは春・秋の各期の1日のみで実施)。ペーパー方式からCBT方式(キーボード入力)への変更に伴い、複数の試験日から都合の良い日時と会場を選択できるようになる見込みです。

出典:プレス発表 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験がCBT方式での実施に移行予定(IPA)

※4 海外ベンダーの試験料金は、為替レートや価格改定により変動する場合があります。お申し込みの際は、公式サイトで最新の料金をご確認ください。

IT業界の資格に関する用語解説
CBT方式
会場のPCで受ける試験方式。日時選択の自由度が高いのが特徴です。
ベンダー資格
企業が自社製品のスキルを認定する民間資格。
インフラ
サーバーやネットワークなど、ITシステムの土台となる基盤のこと。
上流工程/下流工程
システム開発の段階を川の流れに例えた区分。どんなシステムを作るかを決める要件定義や設計などの計画段階を「上流」、実装や運用などの実作業を「下流」と呼びます。
OJT
実務を通して業務を覚える教育トレーニング。

システムエンジニア(SE)を目指す未経験者におすすめの資格2選

まずはIT業界に飛び込むなら「これだけは知っておきたい」という基礎資格を2つ紹介します。

1. ITパスポート試験|IT業界の基礎用語を頭に入れるための第一歩

名称ITパスポート
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度★★★
合格率49.9%
※令和7年度(2025年度)4〜10月
実施時期通年
受験料7,500円
出典:ITパスポート試験(IPA)

ITパスポート試験(通称:iパス)は、ITに関する基礎知識を網羅的に問われる国家試験です。 ネットワークやセキュリティの基礎から、AIやIoTなどの最新技術、さらには経営戦略やプロジェクトマネジメントまで、ITとビジネスに関する知識を幅広く扱います。 社会人の合格率は約50%と高いため、「エンジニアには簡単すぎる」と言われることもありますが、未経験者にとっては業界の基礎用語を把握するうえで非常に有効です。 試験は全国47都道府県で毎月実施されているので、都合に合わせて試験日や時間帯を選びやすいのも特徴です。

2. 基本情報技術者試験|エンジニアの登竜門で基礎理論を固める

名称基本情報技術者試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度★★
合格率39.7%
※令和7年度(2025年度)4〜11月
実施時期通年
受験料7,500円
出典:基本情報技術者試験(IPA)

基本情報技術者試験は、多くのIT企業がエンジニアに取得を推奨する「エンジニアの登竜門」とも言える国家試験です。 ITパスポートよりも一歩踏み込み、コンピュータの仕組みやアルゴリズム・プログラミングの基本、ネットワーク・データベースの技術的な理論など、エンジニアとして働くうえで不可欠な基礎知識・技能を養います。 パソコンを使ったCBT方式の試験が導入され、現在は通年で受験が可能になりました。合格率は40%前後で推移しているため、しっかりと対策すれば未経験からでも合格は可能です。 ただし、アルゴリズムやプログラミングの問題が含まれるため、ITパスポートに比べると学習のハードルは上がります。 もし、勉強を始めて「難しすぎて挫折しそうだ」と感じたら、無理をせず後述する「AWS認定資格」などのベンダー資格や、実際に手を動かす学習に切り替えるのもひとつの戦略です。

アプリケーションエンジニアを目指す人におすすめの資格6選

ここからは、SEとして基礎を身につけた後、さらに専門性を高めてキャリアアップしたい人向けのおすすめ資格を紹介します。 まず紹介するのは、スマホやWebのアプリ、業務システムといった各種アプリケーションの設計・開発を行う「アプリケーションエンジニア」向けの資格です。 プログラミング言語やデータベースなど、ものづくりに直結するスキルが求められます。

1. Java SE 認定資格|開発現場の共通言語を習得できる

名称Java SE 認定資格
資格種別ベンダー資格
運営団体Oracle社
未経験者へのおすすめ度★★
合格率非公開
<合格ライン>
Bronze:60%
Silver:63%
実施時期通年
受験料Bronze:約15,000万円(変動あり)
Silver:約38,000円(変動あり)

※ベンダー資格の受験料は、為替レートや改定により変動する場合があります。最新価格は各公式サイトをご確認ください。

出典:Java SE 11 認定資格(Oracle Japan)

世界中の開発現場で採用されているプログラム言語「Java」のスキルを証明する資格です。 レベルごとに「Bronze(ブロンズ)」「Silver(シルバー)」「Gold(ゴールド)」の3つのグレードに分かれていますが、今回は未経験者から開発初心者の方におすすめのBronzeとSilverに絞って紹介します。

  • Bronze(未経験者の入門向け)
    日本独自の入門資格です。
    言語未経験者を対象に、Java言語を使ったオブジェクト指向プログラミングの基礎知識があるかを評価します。
    「まずはプログラミングに慣れたい」という方はここから始めましょう。
  • Silver(開発初心者向け)
    上級者の指導のもとで、基本的なコードが書けるレベルを認定します。
    取得には「Java SE 11 Programmer I」試験への合格が必要です。
    将来的に上位資格(Gold)を目指すための前提条件でもあります。

未経験からエンジニアとして就職・転職するための武器にするなら、実務レベルの入り口であるSilverの取得を目指すのが王道ルートです。

2. オラクルマスター(ORACLE MASTER)|データベース管理のスタンダード

名称ORACLE MASTER
資格種別ベンダー資格
運営団体Oracle社
未経験者へのおすすめ度
合格率非公開
<合格ライン>
Bronze DBA:65%
Silver DBA:60%
実施時期通年
受験料約38,000円(変動あり)

※ベンダー資格の受験料は、為替レートや改定により変動する場合があります。最新価格は各公式サイトをご確認ください。

出典:ORACLE MASTER Portal(Oracle Japan)

世界的なシェアを持つ「Oracle Database」の管理・運用スキルを証明する資格です。 システム開発において、データを保管・操作する「データベース」の知識は避けて通れません。 作ったアプリケーションを正しく動かすためには、裏側にあるデータベースと連携させる必要があるからです。 現在の最新バージョン(ORACLE MASTER 2019)では仕組みがシンプルになり、基礎をマスターできている運用担当者の方は「Silver DBA」からチャレンジできるようになりました。

  • Bronze DBA(初級者向け)
    データベースの基礎知識を証明する資格で、「 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals」試験に合格する必要があります。
    アーキテクチャ(構造)に関する用語の理解に加え、日常的な運用管理の基本(ユーザー作成、バックアップ、起動・停止など)を理解していることが認定されます。
  • Silver DBA(運用担当者向け)
    データベース運用担当者・管理者向けの資格で、取得するには「Oracle Database Administration I」試験に合格しなければなりません。
    インスタンス(データベースを動かす仕組み)や記憶域(保存場所)の管理といった日常業務に加え、SQL(データベースに命令する言語)を使ったデータの出し入れや、オブジェクト(表などの部品)管理まで、現場で必要な実践スキルを証明します。

まずはプログラミング言語などの学習が優先ですが、データベースエンジニアを目指すなら、Bronzeで基礎を固めることから始めましょう。

3. 応用情報技術者試験|「脱・新人」を目指せるワンランク上の証明

名称応用情報技術者試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率23.4%
※令和7年度(2025年度)春期・秋期
実施時期令和8年度(予定):2026年11月頃、2027年2月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:応用情報技術者試験(IPA)

基本情報技術者試験(FE)から、さらにレベルアップを図りたいエンジニア向けの国家試験です。 技術的な知識だけでなく、プロジェクトの予算・工程・品質管理、さらには経営戦略やIT戦略の立案まで、幅広い知識と応用力が問われます。 合格すれば、上位職の方針を理解したうえで自ら技術的な問題を解決できるエンジニアとして、高い評価を得ることができるでしょう。 ただし、未経験からいきなりここを目指すのはおすすめしません。難易度が高いだけでなく、実務経験とセットでなければ本来の評価を得にくいからです。 まずは現場で2〜3年の経験を積み、将来的にリーダーやマネージャーを目指す段階での取得を推奨します。

4. システムアーキテクト試験|システムの「設計図」を描く上流エンジニア

名称システムアーキテクト試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率15.5%
※令和7年度(2025年度)春期
実施時期令和8年度(予定):2026年11月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:システムアーキテクト試験(IPA)

プログラミングを行う前の要件定義(どんなシステムを作るか決める)やアーキテクチャ設計(システムの全体像・構造を描く)を主導する上級エンジニア向けの資格です。 単に技術に詳しいだけでなく、クライアントのビジネスや業務プロセスを深く理解し、それをITでどう実現するかを企画・提案する能力が求められます。 最大の難関は、科目B-2試験で行われる論文(論述式)です。 自身の実務経験に基づき論理的に論述する必要があるため、現場での経験が豊富でなければ合格は困難です。 したがって、未経験者がすぐに受けるものではありませんが、「将来はプログラミングだけでなく、システムの企画や設計から携わりたい」という人は最終的な目標のひとつとして知っておきましょう。

5. データベーススペシャリスト試験|データを守り活用する専門家

名称データベーススペシャリスト試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率18.4%
※令和7年度(2025年度)秋期
実施時期令和8年度(予定):2027年2月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:データベーススペシャリスト試験(IPA)

企業活動を支える膨大なデータを効率的に管理し、パフォーマンスの高いデータベースシステムを構築するための高度な知識・技術を認定する国家試験です。 高品質なデータベースを設計(データモデリング)する能力は、インフラエンジニアとしてだけでなくアプリケーション開発においても重宝されるため、「データの扱いに強いエンジニア」として市場価値を高めることができます。 高度試験の中では珍しく、科目B-2試験に論文がなく、すべて記述式で行われるのが特徴です。 「小論文を書くのは苦手だが、論理的な設計や計算は得意」という人にとっては、努力が結果に結びつきやすい高度資格とも言えます。

6. エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)|IoT時代を支える「組み込み」のプロ

名称エンベデッドシステムスペシャリスト試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率15.3%
※令和7年度(2025年度)秋期
実施時期令和8年度(予定):2027年2月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:エンベデッドシステムスペシャリスト試験(IPA)

ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた「組み込みシステム」の開発を主導する、IoT時代のスペシャリスト資格です。 スマート家電や自動運転など、あらゆるモノがネットにつながるIoTの進展により、ハードウェアとソフトウェアの両面を理解し、開発を主導できる人材の市場価値は急上昇しています。 合格の最大の壁となるのが、科目B-2の論述試験です。ここでは、単なる知識だけでなく、ハードウェアの制約やリアルタイム性といった組み込み特有の課題をどう解決したかという「エンジニアとしての判断力」が厳しく問われます。 机上の学習だけでは突破が難しく、現場で培った深い経験こそが合格への鍵となります。

インフラエンジニアを目指す人におすすめの資格5選

続いて、システムの土台であるサーバーやネットワークの構築・運用を行う「インフラエンジニア」向けの資格です。 この領域は「AWS」「Linux」「Cisco」といった特定の製品やサービスが業界標準となっているケースが多く、ベンダー資格の価値が非常に高いのが特徴です。

1. AWS認定資格|クラウド時代の実務に直結する最重要資格

名称AWS認定資格
資格種別ベンダー資格
運営団体Amazon Web Services社
未経験者へのおすすめ度★★★
合格率非公開
<合格ライン>
Foundational:700点
Associate:720点
実施時期通年
受験料Foundational:約15,000円(変動あり)
Associate:約20,000円(変動あり)

※ベンダー資格の受験料は、為替レートや改定により変動する場合があります。最新価格は各公式サイトをご確認ください。

出典:AWS認定(Amazon Web Services)

世界トップシェアのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」のスキルを認定する資格です。 多くの企業が自社サーバーからクラウドへ移行している現代において、実務直結度が最も高い「最重要資格」と言っても過言ではありません。 AWS認定資格は、「Foundational(ファンデーショナル)」「Associate(アソシエイト)」「Professional(プロフェッショナル)」「Specialty(スペシャリティ)」の4つのグレードに分かれており、未経験者〜初級者は以下の2段階でステップアップするのが王道ルートです。

  • 【Foundational】 Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー)
    ITやクラウドの経験が全くない人を対象としたAWS認定の出発点となる資格です。
    AWSクラウドの基本的な概念や用語、セキュリティ、サービスの種類などを幅広く問われ、エンジニアとしての「基礎的なクラウドリテラシー」があることを証明します。
    まずはここからスタートしましょう。
  • 【Associate】 Solutions Architect(ソリューションアーキテクト)
    オンプレミス(自社サーバー)でのIT経験がある人や、基礎を終えた人に最適な資格です。
    幅広いAWSサービスを技術的に深く理解し、コストやパフォーマンスを最適化した「ソリューション(解決策)の設計」ができる能力を検証します。
    求人市場での評価も高く、インフラエンジニアとしての即戦力性をアピールできるでしょう。

まずは「クラウドプラクティショナー」で基礎用語を頭に入れ、その後に本丸である「ソリューションアーキテクト」の取得を目指しましょう。

2. Linux技術者認定試験(LinuC/LPIC)|Linuxサーバー操作の基礎を固める

名称LinuC
LPIC
資格種別ベンダー資格
運営団体LinuC:LPI-Japan
LPIC:LPI日本支部
未経験者へのおすすめ度★★★
合格率非公開
<合格ライン>
LinuC:65〜75%程度
LPIC:500点
実施時期通年
受験料LinuCレベル1(101試験/102試験):各16,500円
LPIC-1(101試験/102試験):各16,500円

※ベンダー資格の受験料は、為替レートや改定により変動する場合があります。最新価格は各公式サイトをご確認ください。

出典:LinuC(LPI-Japan)、Linux Professional Institute(LPI)

Webサイトやアプリを裏側から支えるWebサーバーのOS(基本ソフト)として圧倒的なシェアを誇る「Linux(リナックス)」の操作スキルを証明する資格です。 AWSなどのクラウド環境であっても、実際に動いているサーバーの中身(OS)の多くはLinuxです。 そのため、AWSで「インフラの箱」を作るスキル、Linuxで「中身を操作する」スキルをセットで学ぶことで、インフラエンジニアとしての基礎力がしっかりと定着します。 資格は運営団体の違いによって以下の2種類があるため、目指すキャリアに合わせて選びましょう。

  • LinuC(リナック)
    日本のNPO法人が運営しているため、国内の開発現場のニーズを色濃く反映しているのが特徴です。従来からのLinux知識はもちろん、仮想化(1台のサーバーを複数台に見せる技術)やコンテナ技術(アプリをどこでも動かせるようにする技術)といった最新技術も範囲に含まれており、国内企業で実践力をアピールしたい人におすすめです。
  • LPIC(エルピック)
    カナダに本部を置く非営利団体「LPI(Linux Professional Institute)」が運営する世界規模のLinux技術者認定で、グローバルな知名度は圧倒的です。最大の特徴は「ベンダーやディストリビューション(Linuxの種類)に依存しない」こと。特定のメーカーや製品に偏らず中立的に技術を評価するため、どんな環境でも柔軟に対応できる汎用性の高いスキルが身に付きます。

未経験者〜初級者が最初に目指すべきは、どちらもレベル1です。101試験と102試験の両方に合格することで認定を受けられます。

3. シスコ認定試験 CCNA|ネットワークの基礎を固める定番資格

名称CCNA(Cisco Certified Network Associate)
資格種別ベンダー資格
運営団体Cisco Systems社
未経験者へのおすすめ度★★
合格率非公開
実施時期通年
受験料300米ドル(税別/変動あり)

※ベンダー資格の受験料は、為替レートや改定により変動する場合があります。最新価格は各公式サイトをご確認ください。

出典:シスコラーニングネットワーク(Cisco Systems)

ネットワーク機器の世界最大手である「Cisco Systems(シスコシステムズ)社」が認定する世界共通基準の資格です。 シスコ認定試験は「Entry(エントリー)」から「Expert(エキスパート)」まで5つのグレードに分かれていますが、CCNAは2番目の「Associate(アソシエイト)」レベルに位置し、ネットワークエンジニアの世界標準として広く知られています。 試験範囲はネットワークの基礎やIP接続といった通信技術に加え、現代の現場で必須となる「セキュリティの基礎」や「自動化・プログラミング」まで網羅されているのが特徴です。 CCNAを取得すれば標準的なスキルを持っている証明になる一方、現在はクラウド移行が進んでいるのも事実です。 効率性を重視するのであれば、まずは優先度の高いAWSから学び、その基礎固めとしてCCNAを活用するのもよいでしょう。

4. ネットワークスペシャリスト試験|ネットワーク技術の最高峰

名称ネットワークスペシャリスト試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率17.8%
※令和7年度(2025年度)春期
実施時期令和8年度(予定):2026年11月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:ネットワークスペシャリスト試験(IPA)

ネットワーク分野における国内最高峰の国家試験です。 CCNAなどのベンダー資格が特定メーカーの機器操作に重点を置くのに対し、ネットワークスペシャリスト試験では製品に依存しない「本質的なネットワーク技術」や「大規模かつ堅牢なシステムの設計思想」を深く問われます。 高度試験の中では珍しく、科目B-2試験に論文がなく記述式で行われるのが特徴ですが、長文の事例問題を読み解く力が必要となるため、難易度は非常に高いといわれています。 そのため、まずはAWSやCCNAで基礎を固め、現場で数年の実務経験を積んだ後に挑戦するのが一般的です。

5. ITサービスマネージャ試験|システムの安定稼働を守る高度IT人材

名称ITサービスマネージャ試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率14.7%
※令和7年度(2025年度)春期
実施時期令和8年度(予定):2026年11月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:ITサービスマネージャ試験(IPA)

顧客のニーズを踏まえ、安全性と信頼性の高いITサービスを安定して提供し続けるためのスペシャリスト資格です。 単にシステムを動かすだけでなく、顧客満足度を維持しながら、日々の運用を継続的に改善していく高度なマネジメント能力が問われます。 最大の難関は、科目B-2試験の論文です。 自身の実務経験を踏まえて論述する必要があるため、まずは現場経験を積むことが最優先です。 運用のプロフェッショナルやプロジェクトマネージャーを目指す段階での取得を推奨します。

セキュリティエンジニアを目指す人におすすめの資格3選

サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが高まる現在、企業の情報資産を守るセキュリティの知識は、職種を問わず必須となりつつあります。 ここでは、基礎レベルから高度な専門職向けまで、情報セキュリティ関連の3つの国家資格を紹介します。

1. 情報セキュリティマネジメント試験|全職種必須の「守り」の基礎

名称情報セキュリティマネジメント試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度★★
合格率70.2%
※令和7年度(2025年度)4月〜11月
実施時期通年
受験料7,500円
出典:情報セキュリティマネジメント試験(IPA)

サイバー攻撃や情報漏洩といったさまざまな脅威から組織を継続的に守るためのスキルを認定する国家試験です。 この試験で重視されるのは、技術的な知識だけではありません。営業と総務といった現場(利用部門)において、周りの社員にルールを守らせたり、安全な業務の進め方を指導したりする「情報セキュリティリーダー」としての能力が求められます。 試験では、情報資産のリスクアセスメント(危険性の評価)や、業務委託時の契約確認、万が一のインシデント発生時の初動対応など、実務に直結した知識が問われます。 セキュリティエンジニアを目指す方はもちろん、全職種にとって「持っていて損はない資格」であり、ITの基礎知識を身につけた後のステップアップとしても最適です。

2. 情報処理安全確保支援士試験|サイバーセキュリティの最高峰「登録セキスペ」

名称情報処理安全確保支援士
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率20.7%
※令和7年度(2025年度)春期・秋期
実施時期令和8年度(予定):2026年11月頃、2027年2月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:情報処理安全確保支援士試験(IPA)

サイバーセキュリティ分野において、国内初となる国家資格です。 合格後に所定の登録手続きを行うことで「情報処理安全確保支援士(通称:登録セキスペ)」という国家資格保持者になることができます。 サイバー攻撃のリスクを分析し、技術・管理の両面から施策を助言・提案するセキュリティエンジニアやコンサルタントを目指す人に最適な資格です。 科目B試験は記述式ですが、2時間半(150分)にわたって長文の事例問題を解く必要があるため、高い集中力と読解力が求められます。 セキュリティを確保するには、その土台となるネットワークやデータベースへの深い理解が欠かせません。 そのため、まずはCCNAや応用情報技術者試験などで足元を固め、実務経験を積んでから挑戦するのが合格への近道です。

3. システム監査技術者試験|リスクを見抜く「監査」のプロ

名称システム監査技術者試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率16.1%
※令和7年度(2025年度)秋期
実施時期令和8年度(予定):2027年2月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:システム監査技術者試験(IPA)

エンジニアが構築したシステムやセキュリティ対策が「本当に安全か」「経営目標に貢献しているか」を、客観的な立場で検証・評価し、改善に向けた助言を行うスペシャリスト向けの国家試験です。 システムを作る・守る資格とは異なるものの、適切な監査のためにはシステムのリスク分析やコントロール(統制)に関する深く幅広い知識が欠かせません。 科目B-2試験には論文もあり、豊富な実務経験に基づいた論理的な主張が求められるので、未経験者が挑戦するのは時期尚早です。 セキュリティエンジニアから、監査人・コンサルタントへキャリアチェンジする際の目標として位置付けられます。

プロジェクトマネージャー(PM)を目指す人におすすめの資格3選

エンジニアとして現場での実装経験を積み、チーム全体を管理する立場へキャリアアップする段階で検討すべき資格です。 プロジェクトマネージャー(PM)は、エンジニアの苦労や技術的な課題を肌感覚で理解していないと務まりません。 そのため、未経験で資格を取得できたとしても就職・転職、実務での評価につなげることは極めて難しく、まずは現場経験を積むことが最優先となります。 あくまで「エンジニアとして数年の実績を積んだ人が、管理職としてのスキルを証明するためのもの」として捉えてください。

1. PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)|世界標準のPM資格

名称PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
資格種別ベンダー資格
運営団体PMI(Project Management Institute)
未経験者へのおすすめ度
合格率非公開
実施時期通年
受験料655ドル
※PMI会員は405ドル(別途会費として初年度139ドル+税が必要)
出典:プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)認定資格(PMI)

アメリカに本部を置く世界最大のプロジェクトマネジメント専門団体「PMI」が認定する国際資格です。 プロジェクト管理のバイブルと呼ばれる「PMBOK(ピンボック)」に基づき、プロジェクトを成功に導くための体系的なスキルを認定します。 2026年7月(予定)のリニューアルでは、従来の「人」「プロセス」中心の評価から、「ビジネス環境」の配点が大幅に増加し、AIやサステナビリティ(環境や社会への配慮)といった最新トピックも導入されます※。 世界中で通用する強力な資格ですが、受験資格として「実務経験」が必須となります。 大卒者であっても26ヶ月(3年)以上のプロジェクト指揮経験がないと受験すらできないため、本格的に「プロジェクトマネジメントのプロ」として生きていく覚悟を決めてから挑むべき資格です。

出典:PMP認定試験内容要項(2026年7月試験改定版)

2. プロジェクトマネージャ試験|開発プロジェクトを成功へ導く「総監督」

名称プロジェクトマネージャ試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率14.3%
※令和7年度(2025年度)秋期
実施時期令和8年度(予定):2027年2月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:プロジェクトマネージャ試験(IPA)

システム開発において、予算・納期・品質のすべてを管理し、プロジェクトをゴールへと導く総責任者としての実力を証明する国家試験です。 予期せぬトラブルや環境の変化にも柔軟に対応し、クライアントやチームメンバーといった多くのステークホルダ(関係者)をまとめ上げる高度なリーダーシップと人間力が求められます。 科目B-2試験の論文では、自身が過去に経験した「リスクへの対応」や「ステークホルダとの調整」などを具体的に論述する必要があります。 そのため、机上の空論ではなく、実際に修羅場をくぐり抜けてきた経験がないと合格は困難です。 エンジニアとして現場を知り尽くした人が目指すべき、国内システム開発における到達点のひとつと言えるでしょう。

3. ITストラテジスト試験|ITコンサルやCIOを目指すエンジニアの到達点

名称ITストラテジスト試験
資格種別国家資格
運営団体情報処理推進機構(IPA)
未経験者へのおすすめ度
合格率15%
※令和7年度(2025年度)春期
実施時期令和8年度(予定):2026年11月頃
※令和8年度(2026年度)からCBT方式に移行予定
受験料7,500円
出典:ITストラテジスト試験(IPA)

経営戦略とITを結びつけ、企業価値の向上を主導する人材を育成する国家試験です。 CIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)、ITコンサルタントを目指す方に適しています。 ITストラテジストとして期待されるのは、経営課題を踏まえてIT活用の方針を定め、全体のシステム化計画を立案・推進することです。 このため試験では、幅広く高度な知識に加え、実務に基づいた判断力とビジネス理解が求められます。 特に科目B-2試験の論述では、企業の意思決定に影響を与えるレベルの戦略シナリオを論理的に記述する力が必要であり、実務経験がないと難しいでしょう。 難易度が高い試験ですので、受験を検討する際は自分のキャリア目標と準備計画をよく考えることをおすすめします。

システムエンジニア(SE)向け資格取得のロードマップ

システムエンジニア(SE)になりたいと思ったからといって、手当たり次第に資格を取ろうとするのはおすすめできません。 なぜなら、「ITパスポート試験」などで業界の全体像をつかんだ後は、資格勉強のために参考書を読み込むよりも、実際に手を動かしながら実務的な基礎学習を進めるほうが圧倒的に効率的だからです。 ここでは、未経験者に向けた資格取得の注意点と、最短でエンジニアとして活躍するための具体的なロードマップを紹介します。

ロードマップを考える際の注意点

資格勉強を始める前に、以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。 特に注意すべきなのは「とにかく取れるだけ取っておこう」という数優先の考え方です。 実務スキルや経験が伴わない資格取得は、就職・転職での評価アップには直結せず、結果的にゴールへの遠回りになってしまう可能性があるからです。

1. 「資格コレクター」にならない

最も陥りやすい罠が、合格すること自体が目的になり、肝心の実務スキルがおろそかになる「資格コレクター」化です。 例えば、徹底した過去問対策でいくつもの試験を突破できたとしても「用語や理論は完璧なのに、自分のPCで環境構築すらできず、エラーが出た瞬間に何から調べればいいかわからなくなる」という状態では、実務はもちろん、企業の採用面接でも評価されません。 ゴールはあくまでエンジニアとして活躍することです。 資格の知識と現場での対応力は別物と割り切り、時には資格勉強をストップしてでも、実際に手を動かしてツールを操作したり、何かを作ったりする時間を優先しましょう。

2. キャリアビジョンから逆算して決める

資格はロールプレイングゲーム(RPG)の「装備」と同じです。 自分が「魔法使い(アプリ開発)」になりたいのか、「戦士(インフラ)」になりたいのかも決めず、「みんな持っているから」と手当たり次第に武器を集めても意味がありません。 どの職種を目指すかによって、取るべき資格も学ぶ順番もガラリと変わります。 まずは、自分が進みたい方向かつ優先度が高いものだけに絞って学習しましょう。 周辺知識や応用資格については、実務経験を積みながら、将来的なキャリアビジョンが固まった段階で検討すれば十分です。

3. 効率重視の現実的な計画を組む

働きながら資格取得を目指す場合、最大の敵は時間不足と挫折です。 多くの人が失敗する原因は、試験直前の詰め込みや、参考書を読むだけの学習を続けてしまうことにあります。 限られた時間で成果を出すために、以下の2点を意識してスケジュールを組みましょう。

(1)インプット3:アウトプット7の黄金比を守る

コロンビア大学の心理学者による実験結果などに基づき、最も学習効率が高いとされる比率は「インプット3:アウトプット7」が定説となっています。 これは、認知科学においても「検索練習(Retrieval Practice)」や「テスト効果」として裏付けられています。 脳は情報を詰めこむ時ではなく、記憶から情報を想起(Retrieval)しようとする瞬間に最も定着が進むからです。 参考書を読む時間は全体の3割に留め、残りの7割は過去問を解く、実際にツールを操作するといったアウトプットに使いましょう。 問題を解く・手を動かすことが、脳への定着を早める近道です。

出典:Roediger HL, Karpicke JD. Test-enhanced learning: taking memory tests improves long-term retention. Psychol Sci. 2006 Mar;17(3):249-55. doi: 10.1111/j.1467-9280.2006.01693.x. PMID:
(2)試験日から逆算して段階的な計画を立てる

いきなり「3ヶ月後に合格」という大きな目標だけを立てると、途中で中だるみしたり、進捗の遅れに気づけなかったりします。 試験日から逆算し、点数だけでなく実務的な理解もセットにしたマイルストーン(中間目標)を設定してください。

  • 1ヶ月目:用語を覚えつつ、関連する技術に実際に触れてみる。
  • 2ヶ月目:過去問で正答率60%を目指す。間違えた問題は解説を読み込むだけでなく、自分の言葉で説明できるまで掘り下げる。
  • 3ヶ月目:模擬試験で安定して80%を取る。試験時間内に解ききるスピードを養う。

机上の丸暗記で終わらせず、手と頭を動かして検証する工程を挟むことで、応用が利く本物の知識が身に付きます。 また、計画には必ず予備日(バッファ)を設け、仕事が忙しいときの遅れを取り戻せるようにしておきましょう

システムエンジニア(SE)としてキャリアアップしたい人におすすめのロードマップ

かつて未経験者の学習ルートといえば、まずは「基本情報技術者試験」で基礎理論を固めるのが定番でした。 しかし、今日の採用現場では難関資格=高評価とは限りません。 実際、教科書的な知識よりも実務直結度が高いスキルを持っていたほうが、即戦力として採用評価が高くなる傾向にあるといわれています。 そのため、これから勉強を始めるなら、以下のロードマップで進めるのが活躍への最短ルートと言えるでしょう。

【STEP 1】基礎・興味付け期

おすすめ資格&アクション
  • ITパスポート試験
  • AWS認定資格(Cloud Practitioner)
まずはざっくり全体像や、クラウドの便利さを知る

まずはIT業界という広大な世界の「地図」を手に入れましょう。ここでの目的は、深い専門知識をつけることではありません。 「ITって面白い」「意外と自分でもできそうだ」と体感し、ITへの抵抗感をなくすことがこの時期の最優先事項です。 ITパスポートで基本的な用語や知識をインプットしつつ、AWS(Amazon Web Services)などのクラウド画面を実際に触ってみてください。 いきなり操作するのが不安な方は、AWSが公式提供している学習コンテンツ「AWS Cloud Quest」がおすすめです。 実際にAWSを触りながら、ロールプレイングゲーム(RPG)感覚でクラウドスキルを楽しく学べるのが特徴です。 初級者向けの「クラウドプラクティショナー」レベルは無料でプレイできます。 なお、これはあくまでスキルを学ぶための学習教材であり、資格そのものではありませんのでご留意ください。

【STEP 2】準備期(就職活動前)

おすすめ資格&アクション
  • Linuxなどの実務的な基礎学習
  • ポートフォリオの作成
★資格勉強より手を動かすことを優先する

この段階では、資格取得を目的とした机上の勉強よりも、「手を動かして何かを作ること」を優先してください。 職種や選考段階によって評価点は異なるものの、「実際にサーバーを立てました」など手を動かした実績の方が説明しやすく、ポテンシャルの裏付けとして評価されやすいためです。 STEP1で触れたAWSなどのクラウドを使いこなすためにも、ここではLinuxを操作するコマンドスキルを身につけておくことをおすすめします。 初めての方は、Linuxの普及を支援する非営利団体「The Linux Foundation」が提供する無料コース「Linux入門(LFS101-JP)」で実用的な知識を深めてからスタートしてみてはいかがでしょうか※。 操作に慣れたら、実力の証明としてLinuCやLPICなどの認定資格に挑戦し、以下のようなポートフォリオを揃えて面接に挑みましょう。

  • 成果物:実際に作ったWebアプリや、構築したサーバーのURLなどをまとめておきましょう。
  • GitHub(ギットハブ):プログラムのコードを保存・公開するWebサービス。エンジニアの履歴書代わりになる必須ツールのひとつです。
  • Qiita(キータ)/Zenn(ゼン):エンジニア向けの知識共有サイト。ここに学習記録やエラー解決のプロセスを残すことで、学ぶ意欲や自己解決力をアピールできます。
出典:Linux Foundation、無料オンラインコース「Linux入門」の提供を開始(Linux Foundation Japan)

【STEP 3】実務1〜3年目(新人エンジニア期)

おすすめ資格&アクション
  • 基本情報技術者試験
  • シスコ認定試験 CCNA
  • 言語系の資格(Java SE 11 Silverなど)
★実務と並行して基礎を固める

晴れてエンジニアになった後は、現場での実践と並行して、これまで後回しにしてきた「理論」を固めていきましょう。 実は、基本情報技術者などの体系的な学習は、現場を知ってからのほうが圧倒的に効果的だからです。 未経験のときに丸暗記した用語はすぐに忘れてしまいがちですが、実務経験を積んでから学ぶと「あの時のエラーはこれが原因だったのか」など点と点がつながり、知識が深く定着します。 この時期に目指すべきは、以下の2軸でのスキルアップです。

  1. ITの基礎体力(基本情報技術者試験)
    コンピュータの仕組みやアルゴリズムを理解することで、先輩エンジニアとの会話がスムーズになります。感覚だけでなく論理的なトラブルシューティングもできるようになりましょう。
  2. 専門スキル(CCNA / Java SE 11 Silverなど)
    自分の担当分野を「なんとなく動かせる」状態から「仕組みを理解して使いこなせる」状態へ引き上げます。ネットのコードをコピペするだけの作業者から、自らコードを設計できる技術者への脱皮を目指します。

この期間に基礎を盤石にすることで、今後のエンジニア人生の伸びしろが大きく変わります。

【STEP 4】キャリアアップ期(5年目〜)

おすすめ資格&アクション
  • 応用情報技術者試験
  • スペシャリスト系資格:ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士試験など
★自分の強みを確立し、市場価値を高める

エンジニアとして脂が乗り、現場の業務を一通りこなせるようになる時期です。 しかし、ここがキャリアの大きな分岐点でもあります。 単なる「作業ができる人」で終わるか、「替えのきかない人材」になれるかの分かれ道だからです。 このフェーズでは、漫然と業務をこなすのではなく、自分の得意分野を明確にし、市場価値を高めるための専門性を確立する必要があります。 目指すキャリアによって、取るべき資格を戦略的に学びましょう。

  • マネージャー(管理職)を目指す場合
    将来的にチームリーダーやプロジェクトマネージャーになりたい人には「応用情報技術者試験」の取得がおすすめです。
    予算・工程・品質管理や経営戦略といった視点は、チームを率いるリーダーに欠かせません。上位職の方針を正しく理解し、自走できる人材としての証明につながります。
  • スペシャリストを目指す場合
    「技術一本で生きていく」と決めたなら、特定の領域を深掘りしましょう。「ネットワークスペシャリスト試験」「データベーススペシャリスト試験」「情報処理安全確保支援士試験(登録セキスペ)」といった高度試験は、希少価値が高く、転職市場でも強力な武器になります。

システムエンジニア(SE)の資格についてよくある質問

SEになるのに有利な資格はなんですか?

未経験から目指す場合、いきなり難関資格を取るよりも「実際に手を動かしたことがわかる資格」や「基礎の定着を示す資格」の方が圧倒的に好印象の傾向があります。 特に以下の2つの資格を持っていると「現場に馴染める人材」として高く評価されるといわれています。

  • AWS認定やLinuCなど
    「サーバーを構築した経験がある」「コマンド操作に抵抗がない」という証明になるため、現場への適応が早いと判断されます。
  • 基本情報技術者試験
    IT業界の共通言語を理解している証明になり、先輩エンジニアとのコミュニケーションコストが下がると期待されます。

インフラエンジニアになるなら国家資格とベンダー資格どちらから取るべきですか?

結論から言うと、「ベンダー資格(AWS / CCNA / LinuCなど)」から取ることを強くおすすめします。 国家資格は「教科書的な理論」を学ぶには最適ですが、現場の業務とは少し距離があります。 一方、ベンダー資格は実際の製品操作や設定手順を問われるため、実務のイメージが湧きやすく、即戦力に近い知識として評価されやすいからです。 採用面接でも、「OSの理論を知っています」という人より、「AWSのコンソール画面を操作できます」「Ciscoルーターのコマンドが打てます」という人の方が、一緒に働くイメージを持ってもらえます。

資格を取った人が面接で必ず聞かれることは何ですか?

面接官は知識そのものよりも、「プロセス(取り組み方)」や「目的意識」を見ています。 そのため、専門用語のテストのような質問はほとんどされません。 よく聞かれるのは以下のような質問です。

  • 「なぜ数ある資格の中で、それを選んだのですか?」(目的意識)
  • 「学習中に詰まった時、どうやって解決しましたか?」(問題解決力)
  • 「仕事と勉強をどうやって両立しましたか?」(自己管理能力)

資格はあくまで「会話のきっかけ」に過ぎません。 「将来こういうエンジニアになりたいから、今この資格が必要だ」というキャリアの地図を先に描いてから学習を始めれば、面接での受け答えは自然と説得力のあるものになるでしょう。

未経験者が資格勉強中に転職活動を始めても問題ないですか?

全く問題ありません。むしろ、合格を待たずに今すぐ始めるべきです。 エンジニアの世界では、「完璧になってから動く」ことよりも、「走りながら学ぶ」姿勢が重視されます。 「現在進行形で勉強しており、〇月に受験予定です」と伝えるだけでも、「学習習慣がある」「意欲が高い」という強力なアピールになります。 資格取得はゴールではなくスタートです。 「勉強中」であることを堂々と伝え、ポテンシャルを売り込みましょう。

【まとめ】資格は必須ではないが未経験者の最強の味方になる

冒頭でもお伝えした通り、SEになるために資格は絶対条件ではありません。 SEの世界に「この資格がないと働けない」というルールはなく、無資格からスタートして第一線で活躍している先輩エンジニアもたくさんいます。 しかし、これから未経験で挑戦するあなたにとって、資格が大きなアドバンテージになることは事実です。 何の実績もない段階において、資格はあなたの本気度を客観的に証明できる数少ない材料だからです。
また、現場で飛び交う専門用語を理解できていることは、採用担当者が「スムーズに実務に馴染んでくれそうだ」と感じ、ポジティブな評価にもつながります。 ただし、闇雲に資格を集めるのは避けてください。 大切なのは、基礎をインプットしながら、実際に手を動かして興味を持つことです。 これから学習を始めるなら、以下の2つからスタートしてみましょう。

  1. ITパスポート試験:まずは基本的な用語や知識をインプットする。
  2. AWS(クラウド)の操作:「AWS Cloud Quest」などを使い、実際にクラウド画面を触ってみる。

「あ、これ面白いかも」と感じることができれば、あなたはすでにエンジニアへの第一歩を踏み出しています。 まずは気負わずに、できるところから始めてみましょう。 これから学習を始めるなら、以下の2つからスタートしてみましょう。

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