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2026/5/12 (火)更新

IT事務とは?仕事内容・一般事務との違い・必要スキルと資格・将来性まで解説

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将来性はある?IT事務とは?どんな仕事内容?
監修者:茂神 徹

「IT事務」という職種に興味はあるものの、「具体的にどんな仕事なの?」「一般事務と何が違うの?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

IT事務とは、IT部門やプロジェクトを支えるサポート職の入り口となる職種です。 求人によって業務範囲は異なり、一般事務に近いデータ入力や書類作成が中心のものから、ヘルプデスク業務やIT資産管理まで担当するものまで幅広く存在します。そのため、応募前に業務内容をしっかり確認することが大切です。

本記事では、IT事務の基礎知識から、AI時代に求められるスキル、将来の具体的なキャリアパスまでを解説します。

この記事のトピックス
  • IT事務の仕事内容と一般事務との明確な違い、求められる専門性
  • 未経験からIT事務を目指すために必要なスキル・資格と学習方法
  • AI時代におけるIT事務の将来性と具体的なキャリアパス

IT事務の仕事内容と一般事務との違い

IT事務への挑戦を考える上で、まず「どんな仕事なのか」を正確に理解することが重要です。一般事務と混同されやすいIT事務ですが、その業務内容には明確な違いがあります。

IT事務の定義と企業における役割

IT事務(ITサポート事務)とは、IT企業や一般企業のIT部門において、エンジニアやプロジェクトの周辺業務をサポートする職種です。具体的には、IT部門の事務作業、ヘルプデスクの一次対応、キッティング(PC初期設定)、IT資産管理、資料作成支援などが主な業務範囲となります。エンジニアやプロジェクトマネージャーが技術的なコア業務に集中できるよう、周辺業務を引き受け、プロジェクト全体の円滑な進行を支える役割を担っています。 なお、経済産業省が公表している「IT人材需給に関する調査」によれば、日本では2030年に最大約79万人のIT人材が不足する可能性があるとされています。こうした背景から、IT部門を支えるサポート人材の重要性も増していると考えられます。

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省)

一般事務とIT事務の決定的な違い

一般事務とIT事務は、どちらも「サポート業務」である点は共通していますが、その中身には違いがあります。

比較項目一般事務IT事務
業務領域経理、総務、人事などの一般業務システム、ネットワーク、IT資産管理などのIT領域
求められる知識汎用的なPCスキルITリテラシー、専門用語の理解、ツールの活用スキル
給与水 準全職種平均程度ヘルプデスク寄りの業務の場合、一般事務より高くなる傾向
キャリアパス事務職内でのスペシャリストエンジニア、社内SEなど技術職への道も開ける

厚生労働省の「労働者派遣事業報告書」(令和5年度)によると、一般事務員の平均年収は約509万円、ヘルプデスクは約557万円とされています。ただし、この数値は職種全体の平均であり、未経験での入社時はこれより低くなる場合が一般的です。 業務内容がヘルプデスク寄りになるほど専門性が評価され、給与水準も上がりやすい傾向があります。 IT事務は統計上の職種区分が一律ではないため、年収は“担当業務(ヘルプデスク寄りか、一般事務寄りか)”で幅が出ます。目安としては、職業情報提供サイト(jobtag)等の職種別データや、求人票のレンジを確認し、自分が目指す業務領域に近い職種の数値を参照するとよいでしょう。

出典:「労働者派遣事業報告(令和5年度)」(厚生労働省)

特に大きな違いは「専門性の有無」と「キャリアの広がり」です。IT事務は実務を通じてIT知識が蓄積されるため、将来的に技術職へのステップアップも視野に入れることができます。

IT事務の代表的な業務内容

IT事務が担当する業務は多岐にわたりますが、代表的なものは以下の通りです。

電球アイコン
ポイント
  • キッティング

    新入社員の入社時やPC入れ替え時に、PCの初期設定を行う作業。最近ではクラウド経由で一括設定を行う企業も増えており、効率的なデバイス管理スキルも身につきます。
  • ヘルプデスク

    「パスワードを忘れた」「プリンターが動かない」といった社内のIT関連問い合わせへの一次対応
  • 資料作成・プロジェクト支援

    会議の議事録作成、システム操作マニュアルの更新、進捗管理表の管理など
  • データ集計・RPA運用サポート

    データ集計や、業務自動化ツール(RPA)の実行管理・エラー対応

IT事務の業務を通じて、IT業界の基礎知識が自然と身についていくのが大きな特徴です。

IT事務のメリット・デメリットと向いている人

IT事務は魅力的な職種ですが、良い面と厳しい面の両方を理解しておくことがミスマッチを防ぐ上で大切です。

IT事務で働くメリット

IT事務の最大のメリットは、ITスキルを吸収しやすい環境に身を置ける点です。日々エンジニアと関わり、分からない単語や仕組みを積極的に質問したり調べたりすることで、独学よりも遥かに速いスピードでIT業界の基礎知識やトレンドを吸収できます。 また、IT業界は慢性的な人材不足の傾向にあり、スキルを身につけることで転職市場での価値が上がりやすいと言えます。「事務職として安定して働きつつ、将来性のあるスキルを身につけたい」という方にとっては、検討に値する選択肢ではないでしょうか。

IT事務で働くデメリットや注意点

一方で、「IT事務はやめとけ」という意見も存在します。その主な理由は、覚えることが多く、変化が激しいためです。IT技術は常に進化しており、一度覚えた知識が数年後には古くなっていることも珍しくありません。業務時間外でも自主的に学習し続ける姿勢が求められます。 また、単調なルーチンワークが続く場合、スキルの伸び悩みを感じることもあります。主体的に業務改善に関わったり、資格取得を目指したりしないと、成長が止まってしまうリスクがある点には注意が必要です。

IT事務に向いている人・向いていない人

IT事務への適性は、以下のような観点で判断できる場合があります。 向いている可能性のある人の特徴:

  • ITや新しい技術に興味・関心がある人
  • 人のサポートをするのが好きな人
  • コツコツとした正確な作業が得意な人
  • 分からないことを自分で調べて解決しようとする人

向いていない可能性のある人の特徴:

  • 変化を嫌い、現状維持を好む人
  • PC操作に強い拒絶反応がある人
  • コミュニケーションを極力避けたい人

特に、「分からないことを自分で調べる力(検索力)」は、IT業界で働く上で重要な資質の一つと言えるでしょう。

未経験から目指すために必要なスキルと資格

「未経験からIT事務になれる?」という不安を持つ方も多いですが、十分に可能です。最低限のスキルや準備をしておくことで、採用の可能性は高まります。

必須スキル:PC操作とOfficeソフト

IT事務の基本として、PCの基本操作は必須です。タッチタイピングに加え、ショートカットキーを活用して効率的に作業できることが求められます。 特に重要なのがMicrosoft Office製品(Excel、Word)のスキルです。

  • Excel: SUM、VLOOKUP、IF関数などの基本的な関数、ピボットテーブルによる集計ができると実務で役立ちます
  • Word: 見やすいビジネス文書を作成できるスキルが必要です

また、近年ではChatGPTやMicrosoft Copilotなどの生成AIツールを業務に活用する場面が増えています。メール文案の作成補助、資料の要約、情報の整理などにAIを活用できると、業務効率が大幅に向上する可能性があります。今後IT事務として働く上で、こうしたAIツールの基本的な使い方を身につけておくことも重要なスキルの一つになりつつあります。

コミュニケーション能力と翻訳者としての役割

IT事務は、技術職(エンジニア)と非技術職(一般ユーザー)の間に立つ「翻訳者」としての役割も求められます。エンジニアからの専門的な指示を理解し、それをITに詳しくないユーザーにも分かる言葉で伝える能力が重要です。 また、IT業界ではビジネスチャットツールでのコミュニケーションが主流のため、テキストで要件を簡潔かつ正確に伝えるライティングスキルも評価の対象となります。

取得するとアピール材料になる資格

未経験者がアピール材料として取得を検討すべき資格を紹介します。

資格名資格の定義・証明できる能力
IT パスポート試験・経済産業省が認定する国家試験であり、ITを利活用するすべての社会人が備えておくべきITの基礎知識を体系的に習得していることを証明できる
・ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野を幅広く学べる点が特徴
MOS(Microsoft Office Specialist)・マイクロソフト社が認定する国際資格であり、ExcelやWordなどOfficeソフトの実務能力を客観的に証明できる
・特にExcelエキスパートは、高度な関数やデータ分析スキルを持つ即戦力の証明として評価される傾向

ITパスポートは「IT業界で働くための最低限の基礎知識がある」という客観的な証明になります。MOSはPCスキルに不安がないことをアピールできる実務直結型の資格です。

プラスアルファで評価されるスキル

未経験でも評価されやすいのが、業務効率化に関するスキルです。従来からあるExcel VBA(マクロ)に加え、「Power Automate」などのノーコードツールを活用した業務自動化への関心が高まっています。「手作業を自動化したい」という意欲や経験は、現場で重宝される傾向があります。 ただし、定型作業の自動化が進む一方で、運用ルールの設計や社内調整、問い合わせの一次整理といった「人が介在する支援業務」の重要性はむしろ高まっています。 ツールを使いこなすだけでなく、こうした周辺の調整まで柔軟に担える姿勢こそが、これからのIT事務に求められる役割といえます。 また、タスク管理ツールやチャットツールの使用経験があれば、入社後の適応がスムーズになると判断され、採用にポジティブに働く可能性があります。

AI時代におけるIT事務の将来性とキャリアパス

「事務職はAIになくなる仕事」と言われることがありますが、IT事務については事情が異なる可能性があります。むしろ、AI時代だからこそ価値が高まる側面があります。

AIやRPA普及によるIT事務への影響

確かに、単純なデータ入力や定型的な転記作業は、AIやRPA(Robotic Process Automation=ソフトウェアロボットによる業務自動化)によって自動化されていく傾向にあります。しかし、IT事務は自動化ツールの運用担当へとシフトしていくことが予想されます。 具体的には、RPAの実行監視、例外処理への対応、手順書の整備、運用ルールの管理といった役割が挙げられます。内閣官房が公表している「RPA導入実践ガイドブック」でも、RPAの導入後には継続的な運用・保守体制の整備が重要とされており、ITリテラシーを持つ人材がこうした役割を担うケースが増えていくと考えられます。

AIを使いこなす側になるための心構え

これからのIT事務に求められるのは、「作業者」ではなく「改善者」としてのマインドセットです。 たとえば、生成AIを活用してメール文案の作成を効率化したり、RPAツールを使って日々のルーチンワークを自動化したりするスキルが求められる場面が増えています。「AIに使われる側」ではなく、「AIを使いこなし、業務を効率化できる人材」になることが、市場価値を高める鍵となるでしょう。

IT事務からのキャリアパス

IT事務で得た経験を活かして、以下のようなキャリアに進む道があります。 エンジニアへの転身

  • 実務でシステムやネットワークの基礎に触れているため、全くの未経験者よりもスムーズに移行できる可能性があります
  • プログラミング言語を学んで開発エンジニアを目指す道、サーバーやネットワークを扱うインフラエンジニアを目指す道などがあります

社内SE・情報システム部門

  • 社内システムの導入選定、セキュリティ対策、ヘルプデスクの統括など、企業のIT環境を内側から支えるポジションです
  • 各部署との調整力や折衝能力を活かせます

SaaS・ツール管理者

  • SaaS(Software as a Service=インターネット経由で利用するクラウド型ソフトウェア)の設定や管理を行うポジションです
  • 業務改善との相性が良く、IT事務のサポート担当から段階的に任されやすい領域と言え、プログラミングそのものよりも「設定」「運用ルール設計」「社内調整」が重視されるため、IT事務で培ったスキルとの親和性が高い点が特徴です

PMO(Project Management Office=プロジェクト管理を支援する組織)

  • プロジェクト管理や資料作成のスキルを活かし、PMO担当としてプロジェクトマネージャーの補佐を行う道もあります。品質管理や進捗管理をサポートする役割を担います。

将来に向けた準備のポイント

将来的にキャリアアップを目指すなら、IT事務の業務中も「仕組みへの関心」を持ち続けることが大切です。「なぜこのエラーが出るのか?」「このシステムはどういうロジックで動いているのか?」と疑問を持ち、調べる習慣をつけることが成長につながります。 また、プライベートでの学習時間を確保し、プログラミングを学習したり、基本情報技術者試験などの資格取得を目指したりすることが、キャリアアップへの近道となる可能性があります。

まとめ

IT事務は、未経験からIT業界に参入し、将来性のあるスキルを身につけるための有効な選択肢の一つです。 一般事務との違いは「ITという専門性」にあり、これが将来のキャリアの広がりをもたらす可能性があります。覚えることは多いものの、実務を通じて得られるITリテラシーや問題解決能力は、長期的に活かせる資産となるでしょう。 AI時代においては、「作業者」ではなく「AIを使いこなし、業務を改善できる人材」が求められる傾向にあります。IT事務からエンジニアや社内SE、SaaS管理者、PMOなど、様々なキャリアパスに進む道も開けています。 まずはPCスキルの基礎を固め、ITパスポートなどの資格学習から始めてみてはいかがでしょうか。その一歩が、可能性に満ちたキャリアへとつながっていく場合もあるはずです。

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